2024年04月30日( 火 )

2020年第2四半期の国内総生産~年率換算27.8%の大幅減

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 内閣府が17日発表した2020年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、実質で前期比7.8%減、年率換算で27.8%減となり、リーマン・ショック後の2009年1~3月期の年率17.8%減を10%上回り、比較可能な1980年以降で最大となった。
◆新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は緊急事態宣言(期間4月7日~5月6日)を1カ月間発令。緊急事態宣言で外出が手控えられた影響で、GDPの過半を占める個人消費は前期比8.2%減。消費税率の5%から8%への引き上げの影響が出た14年4~6月期の同4.8%減を超える下げ幅となっている。

~新型コロナウイルスへの政府の対応について~
◆内閣府のGDP速報値の発表を受け、西村康稔経済財政・再生相が17日に談話を発表した。
・総括
 「4、5月は緊急事態宣言の下、経済をいわば人為的に止めていた影響により、厳しい結果となった」と振り返った。一方、ロックダウン(都市封鎖)をした欧米各国の落ち込みに比べれば、特別定額給付金や持続化給付金などの政策効果もあり減少幅は抑えられたとの見方も示した。
・個人消費
 緊急事態宣言下でサービス消費を中心に大きく落ち込んだが、「5月下旬の宣言解除以降、持ち直しの動きがみられる」との認識を示した。設備投資計画のソフトウェア投資の増加にも振れ、デジタル化に進展への期待を表明した。
・政府の経済運営
 「政府としては、4、5月を底として、経済を内需主導で成長軌道に戻していくことができるよう、引き続き当面の経済財政運営に万全を期す」と述べる。また、検査体制の戦略的拡充など感染拡大防止策を講じつつ、経済活動を段階的に引き上げる方針だ。
 また、骨太方針2020に掲げた実行計画について、年末までに策定し実行に移すことも説明した。これらの政策により、新たな日常を通じて「誰もが成長を実感できる質の高い経済社会の早期実現を目指す」と述べた。

◆第3四半期(7~9月期)は反動増が見込まれてはいるものの、景気回復の足取りが重いため、政府は内需拡大策の目玉として7月22日に「Go Toトラベル」を打ち出した。しかし、一定の効果を実感する声が上がっているものの、第2波の感染拡大が懸念されるなか、「Go Toトラブル」となっているのが現状だ。

<まとめ>
 そもそも金融危機が引き金となったリーマン・ショック後の不況と違い感染症が原因では、消費刺激策による需要喚起は厳しい状況にある。ワクチンや治療薬が行き渡るまでの間、不況の長期化を覚悟すべきではないだろうか。

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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