2024年04月23日( 火 )

基幹システムの大幅なリプレイスで、グループの体制強化を図る(後)

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(株)シー・アール・シー 代表取締役相談役 江川 洋 氏

 今年で創業52周年を迎えた(株)シー・アール・シー――。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、いち早くPCR検査を取り入れた同社は抗体検査の受託もスタートさせるなど、地域の健康を支えるため尽力している。そんな同社も新型コロナウイルスの影響から基幹システムの大幅なリプレイスを延期することとなったが、システム構築は現在も進行している。新たなシステムの構築により今後さらなる活躍に期待がかかる。

健康を総合的に捉える

 CRCグループは「医」「食」「環境」と健康をトータルで捉える。病理組織検査や細胞診検査を行う(株)臨床病態医学研究所や、医療機器、臨床試薬/医療用消耗品販売、損害保険/生命保険販売、職業紹介、また新規事業として不動産事業部が新設された(株)シー・アール・シー・サービスなど幅広い分野を手がけている。

 そのなかでも中核を担う(株)CRC食品環境衛生研究所は、主に水質検査、食品検査、大気検査、環境関連検査を受託している。国際的に認められた試験結果の信頼性を背景に事業実績を拡充。18年2月には食品衛生法の規定に基づき、厚生労働大臣が登録する検査機関となり、水道法20条の水質検査登録と合わせて2つの登録検査機関に指定されている。

 最近では、20年3月31日で移行経過措置期間が終了した栄養成分分析や食品の賞味期限・消費期限を科学的根拠に基づいて設定する保存試験、人間が感じる基本味に「渋み」を加えた6つの味覚センサーを駆使し、数値的・視覚的データによって「味の見える化」を実現した味覚分析など、高品質の検査衛生サービスを強化している。

 新型コロナウイルスの影響はあったものの、目標達成率は100%を超え、堅調に推移している。

次世代のCRCグループ始動

 地域医療を担う先生方の縁の下の力持ちとして創業以来、17年10月に創業50周年を迎えた。これを機に、江川智広専務が社長に就任。「創業者の江川洋代表取締役相談役や江川奏会長、江川護副会長が築き上げた50年の伝統と歴史に恥じることないよう職務を全うし、新たな時代とリンクさせ、全社員とともにより良い会社づくりを目指したい」と話す。

 その1つが、CRCグループの基幹システムの大幅リプレイスだ。1972年、検査センターとしては全国で初めてコンピューターを導入。当時はまだコンピューターが普及していなかった時代であったが、事務の迅速化やと活字印刷の検査報告書は画期的であった。その基幹システムもリプレイスを繰り返すうちに時代に即さない部分も出てきた。そのため、基幹システムの大幅なリプレイスは、CRCグループ5社の事業ノウハウとネットワークを背景に、新たなシステムを構築することでグループの体制強化を確立することとしている。

 今回の新型コロナウイルスの影響で大幅リプレイスは第53期以降に延期したものの、第51期から継続してシステム構築は進行中である。
 創業者である江川洋代表取締役相談役は、臨床検査所の業界団体である(一社)日本衛生検査所協会の会長を5年間務めたが、今年7月に80歳になることを機に、6月11日をもって退任した。今後は来年以降に控えている基幹システムの改革に向けて、創業者の1人として社業発展を支えていく覚悟だ。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市東区松島3-29-18
設 立:1969年7月
資本金:2,000万円
TEL:092-623-2111
URL:http://www.crc-group.co.jp

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