2024年04月24日( 水 )

基幹システムの大幅なリプレイスで、グループの体制強化を図る(前)

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(株)シー・アール・シー 代表取締役相談役 江川 洋 氏

 今年で創業52周年を迎えた(株)シー・アール・シー――。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、いち早くPCR検査を取り入れた同社は抗体検査の受託もスタートさせるなど、地域の健康を支えるため尽力している。そんな同社も新型コロナウイルスの影響から基幹システムの大幅なリプレイスを延期することとなったが、システム構築は現在も進行している。新たなシステムの構築により今後さらなる活躍に期待がかかる。

時代にあった検査法

(株)シー・アール・シー
代表取締役相談役
江川 洋 氏

 開業医の先生方の「縁の下の力持ち」に徹することを社訓に臨床検査業界において西日本地区トップの検体検査実績を誇る(株)シー・アール・シー――。医療技術の急速な進歩にともなう精度管理の徹底と臨床検査に対する真摯な取り組み、多角的な事業展開で「九州トップシェアの地場検査センター」として存在価値を高めてきた。

 ここ数年は感染症関連検査に注力しており、2019年には久留米研究所にあったウイルス研究部門を総合研究所に移設した。また、遺伝子検査を拡充し、先生方のあらゆるニーズに対応できる設備と体制を整えてきた。そうした取り組みのおかげで、現在、世界中で1,000万人に迫る感染者を出している新型コロナウイルス感染症のPCR検査をいち早く取り入れることができた。PCR検査受託を開始するにあたり、検体の受け渡しが大きなカギとなったが、同社は九州一円に開設している地域に密着した21支所での集配業務、また、各支所から総合研究所への検体搬送によってそれらをクリアした。

 現在では、検体を預かった翌日には医療機関に検査結果を報告することが可能となり、条件がそろえば当日報告も行っている。このように迅速な対応かつ精度の高さで他センターとの差別化を図りながら、地域医療に貢献している。6月からは唾液でのPCR検査も受託開始となった。

 また、新型コロナウイルス感染症の抗体検査も受託開始した。PCR検査は現時点での感染状態を示すのに対し、抗体検査は過去の感染を確認する検査である。簡易キットでの検査ではなく、感度が高い自動分析装置を用いることで、1時間あたり600件の検査ができる。抗体検査は企業健診や医療従事者、プロスポーツ選手からの出検が多く、新型コロナウイルスの集団免疫の状況把握が可能となってくる。

 現在、PCR検査、抗体検査ともに検体数は増加傾向ではあるが、まだ余力はあり、検査数が増えても対応可能だ。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市東区松島3-29-18
設 立:1969年7月
資本金:2,000万円
TEL:092-623-2111
URL:http://www.crc-group.co.jp

(後)

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