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2020年08月28日 11:23

【就活生WITHコロナ】コロナ禍で生き残る企業はどこ? 情報戦にとまどいも

 大学4年生にとって、今年は異例づくしの「就活」となっている。OB・OG訪問の制限、就職セミナーの中止、リモート面接など、コロナ禍のなかで就職活動に臨んだ大学生は、例年に比べて変化への対応力が試されるかたちだ。学生たちは何を考えながら就活に挑んだのか。西南学院大学(福岡市早良区)に通う女子学生に体験記を寄稿してもらった。

今年の就活は「超情報戦」~デジタル就活の始まり

「今年4年生ってことは就活? 大変だね」

 私が今年かけられた言葉のなかで一番多かったものといえばこれだろう。いつの時代だって就活は大変だったに違いない。しかし、確かに今年の大変さが異例、異質なものだったのは間違いない。

 私は3年生になる前の春休みから就活を始めた。自分は外向的なのか、内向的なのか。仕事をするうえで何を重視するのか。自分の軸を探し、そこから企業を探していく。大学に入り、サークルで出会った4年生が就活で日に日に疲弊していくのを見てきたが、実際に体験して初めて、その過酷さを知ることになった。

 今年に入ると、約半年におよぶだろう就活を前に私は気合を入れた。自分の長所や短所を分析しながら時間や体力をうまく使いこなさなければならない「戦い」には、生半可な気持ちでは挑めないからだ。

 そのなかで、私たち就活生は思いもよらない事態に遭遇した。「新型コロナウイルスの蔓延」だ。3月下旬からは企業が選考を一時停止したり、4月から7月上旬までの合同説明会が中止となったりと、就活生の多くは途中で止まってしまったスキー場のリフトのように身動きできない状態に置かれてしまった。

 例年とはあまりにも異なるスケジュールに戸惑ったものの、だからといって止まってはいられない。実地に向かえないならば情報を集めるのみ。超情報戦となった今年の就活はまさに「デジタル化社会」そのもののように思えた。

オンライン面接は一長一短

 今年の就職活動で注目されたのが、「オンライン説明会・面接」だった。7月上旬までの面接は基本的にオンライン、説明会は現在も多くの企業が会議ツールや配信のかたちで行っている。私が就活のなかで最も多く使ったツールはZOOMだった。普段のゼミ授業でも使っていて、高い画質や使い勝手の良さなど無料アプリとは思えないクオリティーが高評価の理由だろう。

 オンライン説明会・面接の最大のメリットは「コストがかからない」ことだ。私は当初、都内での就職をメインに考えていた。そのため往復の飛行機代だけでも約2万5,000円。ホテル代を入れると3万円が毎回消えていた。

就活で東京に行った際に初めて見た、東京タワー

 場合によっては授業を休まなければならないこともあった。日帰りできないこともなかったが、1回の「遠征」でできるだけ多くの企業のインターンシップや説明会、面接に参加したかったため、毎回限界までスケジュールを詰め込んだ。
 しかし、その途中でオンライン説明会や面接が普及したため、金銭的・時間的コストが減り、体力的にも楽になった。くどいほど注意された入室の作法なども気にする必要がないため、良い意味で緊張感がなく、自分の伝えたいことに集中することができる(※入室の作法などを社会人になる前に学んでおく意味は大きい。これを読んでくれている就活生や1~3年生がいるなら、将来のためにも一度習っておくべきだと思う)。

 もちろん、オンライン面接にもデメリットがある。とくに大変だったのが、相手の真意を理解すること。ディスプレイやスピーカーの精度は上がっているけれど、直接会って話すことに比べると、まだまだ得られる情報が足りないと思う。企業側からしても学生の反応が見えにくかっただろう。

 コメント機能は付いているものの、ボディランゲージや表情、声の調子など、それ以外の反応が示しにくい。「相互に見られ合っている」という意識が低下しやすく、オフライン時よりもコミュニケーションに齟齬が生まれやすいと感じた。企業側にも学生側にも、オンラインのほうが得意だという人はいると思うが、まだ少ないと思う。オンライン面接への対応力は、今後の学生に求められるスキルになるだろう。

「コロナに対応できるか」が企業選びの基準

 記事を書くにあたり、大学の同級生4人に就活の感想を聞いてみた。彼女たちの感想は次の通りだ。

「昨年と違う選考スケジュールに戸惑った」
「景気に左右されにくい業界を中心に企業選びするようになった」
「直接企業を訪問する機会が減ったため、職場の雰囲気を感じ取ることができなくなった」

 コロナ禍のなかでの就活は、これまでよりもずっと少ない情報で企業を研究し、選ぶ必要に迫られた。新型コロナウイルスの終息はまだ見えず、「WITHコロナ」の考え方へと移行している。「WITHコロナ就活1期生」の私たちは、誰にいわれるでもなく、新様式の生活へと変わっていくなかでも淘汰されず、生き残っていける企業を探し出すことに目を向けるようになっていた。

 友人の1人が話していたことが印象的だった。

「コロナ禍だからといって企業を選ぶポイントは変わらなかった。なぜなら、それ以前から一貫して『休みがきちんととれるか』ということをポイントにしていたから。変わったことといえば、『テレワークを導入しているか』という質問をできるだけするようにしたこと。それが時代に合った労働環境なのかを推し量る指標となっていた」

 私の周囲には趣味を持つ人が多く、彼女たちはそれを生きがいにもしている。そのため、休日数や有給休暇の取りやすさもかなり重要視していたようだ。コロナのせい(?)で労働環境の整備具合がよりわかりやすくなったのは、数少ないメリットだったのかもしれない。

 現在3年生で、来年就活に臨む後輩にも聞いたところ、「新卒採用を行う業種が減るので、倍率が上がるという不安がある」と話してくれた。また企業を選ぶにあたって基準を変えたのか聞いてみたところ、「コロナに対して強みをもっているのか、また対策を講じることができているのかを見たい」と、同級生の友人たちと同様に、変化への適応力も検討項目に加えている様子だ。

 このコロナ禍で、今まで現実味のなかった「倒産」や「失業」というものが常に自分の傍にあるということを実感させられた。内定があるからといって安心することはできない。周囲の変化に敏感に反応していく姿勢をもち続けることは、就職先を選ぶという意味以上に自分の身を守るための大事な教訓になりそうだ。

【西南学院大学文学部4年・S】

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