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2020年09月28日 07:00

【凡学一生のやさしい法律学】有名芸能人の政治的発言(5)

国会議員に対する解職請求の問題

 最後に、立法権にたいする主権者の個別の請求、つまり個別の国会議員に対する解職請求の問題を取り上げる。

 憲法第15条第1項には、「公務員を選定し、およびこれを罷免することは国民固有の権利である」と規定され、国会議員が特別公務員と呼ばれる公務員の一種であることは法律の規定で明らかである。

 選定手続である選挙については詳細な法律が存在するが、罷免については法律が存在しない。立法権の執行代理人である国会議員は罷免手続についての立法は永く「サボタージュ」している。何よりも先ず指摘されなければならないのは、この一種の不作為による憲法違反の状態である。

 国会議員の重大犯罪行為(厳密には容疑)で、国民は「逮捕されながら、給与やボーナスがなぜ支給され続けるのだろうか」といつもながら疑問に感じている。社会通念上は、一般の企業などで就業規則違反()がある場合に、裁判の結果が出なければ懲戒処分ができないということはない。通常は、懲戒処分が直ちに発出され、給与の支払いなどは停止される。国会議員が逮捕された場合には、その間、業務を執行しないため、その期間の賃金が支給されるのは不合理と国民は誰しも感じる。

 このことも、法匪が「裁判で有罪とされるまで(法律的には有罪判決が確定するまで)無罪の推定を受ける」ため、それまでの給与(歳費)の支給を受ける権利があるという誤った論理で、罪を犯す恐れのある議員を擁護しているためである。

 給与を受給する権利が、議員の「身分に付随するもの」であればこの論理は一見すると正しい。一方で、給与・賃金は議員としての「正当な業務行為に対する対価、労働の対価」であるとする見解では、自らの行為で招いた就労不能であり、賃金の支給を受ける権利はない、となる。どちらの理論が正しいかは、中学生にでもわかるはずである。

 法匪の論理の最大の誤りは、議員の身分は裁判の結果に依存するが、給与・歳費の受給は正当な業務の対価という関係であるため、身分の喪失の有無に議論をすり替えたことである。労働と無関係に身分に歳費が付随しているなら、当選した途端に全額の受給権が発生することになり、任期の途中で勝手に怠業しても堂々と歳費を受領できることになる。これは憲法が禁止する、非合法の「栄典の授与」そのものとなる。こんな馬鹿げた解釈が世間に通用するはずはない。

 国会議員の収入については、常に「お手盛り」解釈がともなうのが、日本の常識である。

 以上の問題の本質は、国会議員の「お手盛り」の究極のかたちとして、国会議員の非行(犯罪を含む)について国民固有の解職請求権(憲法15条1項)が故意に法律を制定していない(不作為犯)結果である。国民は、解職請求法が存在しないことが憲法違反だとは知らないため、いつも疑問を感じるだけで終わってしまう。国民は、提言すべき野党議員の憲法知識もこの程度であることを知る必要がある。

 解職請求手続を、長期間にわたることが当然となる裁判手続として考えるから、4年の任期切れに間に合わない。百日裁判と同じく、百日審査にすればすむことである。

 国会には本来、懲罰委員会がある。しかし、国政調査権の自粛理論と同じく、検察官や裁判官に不当な影響を与えるとして事件の調査権限を放棄し、ひいて国民の負託を踏みにじっている。

(つづく)

※:犯罪よりはるかに違法性の低い非行・不適切行為などまで懲戒理由とするのが一般である。 ^

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