2021年12月05日( 日 )
by データ・マックス

【凡学一生のやさしい法律学】有名芸能人の政治的発言(4)

裁判官弾劾裁判所の実態

 弾劾裁判所の実態を告発した文献は少ないため、筆者の体験を以下に紹介する。

 筆者はある未公開株式の株式譲渡価格決定商事非訟手続(本人訴訟)で、裁判所が選任した公認会計士が論理的に虚偽の鑑定書を提出したため、この公認会計士の違法行為を理由に民事裁判を提起した。違法性を認め、賠償判決を覚悟した当該公認会計士は第1回口頭弁論期日に欠席し、代理人弁護士も存在しなかった。正式に民事訴訟法に従うと、ここで結審、欠席判決となる。ところが、裁判官は期日を続行し、訴訟代理人を期日以前に選任した旨の偽造委任状を後付で作成して、辻褄を合わせて1回のみの期日を開き、結審した。もちろん筆者の敗訴となった。裁判官は、本人訴訟でこのような犯罪行為を平然と行う。裁判所職員、書記官などは当然、れっきとした目撃者である。

 筆者は裁判官の犯罪行為に加担した弁護士を懲戒請求するとともに、公文書偽造の犯罪行為を理由にして裁判官弾劾裁判の請求を国会に対して行った。

虚構の訴追委員会

 裁判官弾劾裁判は、法廷を開催する前段階として、裁判官訴追委員会による訴追が必要である。訴追委員会は20名の国会議員から構成されるが、見事な「張子のトラ」であり、国民の「訴状」は読まない。「訴状」を読むのは事務局であり、事務局長には裁判官出身者が就任する。この話を聞くだけで制度的には無機能化されていると理解できるだろう。

 実際には事務局長名で、国会議員の訴追委員会委員長に上申される。筆者の場合にも、「非行には当たらない」という棄却理由が記されていたのみである。誰が見ても明らかな証拠が存在する犯罪でありながら、これを平然と無視する裁判官出身の事務局長。裁判官である者、裁判官であった者がいかに平然と犯罪を行うかは、国民のまったく知らないことである。

 これは江戸時代の話ではない。事務局長が事実上の裁判をするのだ。本来なら「非行には当たらない」という判断命題は裁判官弾劾裁判所の「主文」でなければならないはずである。数十名の国会議員は、裁判官出身事務局長の越権行為・違法行為を見破ることもできず、訴状の内容も読まないという、完全に虚構の訴追委員会であった。これが法的に無知な集団である国会議員による裁判官弾劾裁判手続の実態である。

 行政権に対する主権者の個別の異議申立が行政訴訟である。しかし、これは具体的な行政権の執行に対する異議申立であり、その事件限りの問題であるから、総理大臣に対する解職請求ではない。そのため、現在の論点である主権者として、国権執行代理人に対する解職請求とは本質が異なる。総理大臣に対する解職請求は、総理大臣による再委任である行政官の具体的行政処分を争う行政訴訟とは次元を異にする。
 ただし、議員内閣制では総理大臣は国会が選任するため、国民はそもそも総理大臣の任命権を奪われているという別次元の重大な問題を抱えている。解任権を議論するまえに、選任権の問題が先決問題となる。このことは首相公選制の問題であり、憲法改正の問題であるため、基本的制度である憲法の規定の改正を要求するほかない。

(つづく)

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