武雄アジア大学への公金13億円支援の撤回を求めて、市民団体が武雄市へ署名と要望書を提出

 17日、佐賀県武雄市で(学)旭学園が進める武雄アジア大学に対し、武雄市が決定している13億円もの支援について、撤回を求める署名が市民団体によって提出された。

 署名を提出したのは「武雄の未来を守る会」。提出された署名簿は7月7日~16日午前10時までに集まった1025筆分。

武雄市長あての要望書を読み上げ署名を提出する「武雄の未来を守る会」の野田尚之・代表世話人(左)
武雄市長あての要望書を読み上げ署名を提出する
「武雄の未来を守る会」の野田尚之・代表世話人(左)

 署名の提出とともに武雄市の⼩松政市長宛の要望書が、市民団体の野田尚之・代表世話人によって読み上げられた。そのなかで市民団体は、武雄アジア⼤学への13億円の⽀援は、武雄市⺠の税⾦から⽀出されるものであるにもかかわらず、市民の間で⽀出計画に対する理解が⼗分に得られていないとして、以下の点を要望した。

「武雄の未来を守る会」の要望

1. 「武雄アジア⼤学」への様々な⽀援のうち、市⺠合意を得ていない 13 億円の⽀出⽅針を直ちに撤回すること。

2. 武雄市⽂化会館の在り⽅等の⽂化、抜本的な⽔害対策を始めとする防災、給⾷費無償等の教育、⼈⼿不⾜等に悩む介護・福祉・医療、物価⾼対策など地域の暮らしに密接に関わる分野への予算を優先し、13 億円を上記に配分すること。

 本署名に込められた皆さまの声を真摯に受け⽌めていただき、武雄市と学校法⼈旭学園との間にある「新たな教育連携事業に関する包括連携協定」を即座に破棄されるよう、お願い申し上げます。

 署名を受け取った武雄市の企画政策課大学設置支援室は、当社の取材に対して、「提出を受けた署名の内容を確認する。今後の対応については現時点では決まっていない」と回答した。また、旭学園が申請中の設置認可の判断が分かる時期については、「文科省が審査結果の公表予定としている通り、8月末には判明すると認識している」と述べた。

署名活動について

 なお、署名活動は引き続き7月31日まで以下のページで続けられるが、現時点で提出した理由について市民団体は、「⽂科省による⼤学設置認可の可否が判明する時期を迎えつつあるが、武雄アジア大学と同時期に開学を予定していた他大学も開学延期を発表するなど全国的にも計画⾒直しの動きが出始めており、武雄市に対しても署名に寄せられた声を⼀刻も早く届ける必要があると判断した」としている。

武雄アジア大学に支出する13億円を、武雄市民及び武雄市内で働く人たち、学ぶ人たちを大切にする政策に充ててください。

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【寺村朋輝】

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