2024年04月25日( 木 )

縮小するエネルギー消費、15年で18%減~再エネ発電比率は19年度、18%に増加(経産省発表)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

省エネ・節電などで05年からエネルギー消費は減少傾向

 経済産業省が18日に発表した2019年度のエネルギー需給実績(速報)によると、最終エネルギー消費(以下、エネルギー消費)は前年度比2.0%減の12,959PJ(※1だった。電化製品などの電力消費効率の向上による省エネ化や節電ムードの高まりなどで、エネルギー消費はもっとも高かった05年から減少を続けており、05年度比で約18%減となっている。

最終エネルギー消費
(経産省のエネルギー需給実績(速報)より、以下同)
部門別最終エネルギー消費

 エネルギー消費は、企業部門62.7%(前年比2.3%減)、運輸部門23.3%(同1.8%減)、家庭部門14.0%(同1.0%減)とすべての部門で低下し、05年以降、ほぼ減少傾向にある。企業部門が減少傾向にあるのは、省エネ化とともに製造業からサービス業へなどの産業構造転換も影響しているといわれている。

 エネルギー消費では、石油、石炭、天然ガスなどが減少傾向にあるなかで、再生可能・未活用エネルギー※2)は前年比0.1%増と唯一増加しているカテゴリーだ。

発電電力量

再エネは太陽光発電の大幅増、風力は小幅増

一次エネルギー国内供給の推移

 発電電力量の再エネ発電比率は18%と前年度から1.1ポイント増。10年度には9.5%だったが、12年の固定価格買取制度(FIT)以降に増加したのは約8%とみられる。

 再エネの発電量は水力発電が約42%とおよそ半分を占め、太陽光発電が約37%、バイオマス発電が約14%と続く。風力発電は約4%、地熱発電は約2%。

 なかでも、太陽光発電は前年度比10%増で、10年度から約20倍と大幅に拡大した。風力発電は同2.6%増で、10年度から約2倍に増加。風力発電は政府の支援強化により、今後は大幅に伸びることが予想される。

 一方で、河川の傾斜が急で水資源の豊富な日本でポテンシャルがある水力発電は、同1.7%減。発電所数に大きな増減はないが、降水量や水利権により発電所が利用できる水量に増減があるため、発電量は毎年変動している。しかし、ここ10年で見るとほぼ横ばいだ。地熱発電は同12.1%増だが、10年度と発電規模はほぼ変わらない。バイオマスは同10.8%と10年度の約1.7倍に増加した。

 政府のCO2削減を目指す政策により、20~21年度以降は大幅なエネルギー転換が見込まれる。

【石井 ゆかり】

※1:PJ(ペタ・ジュール)はエネルギー量の単位で、千兆(10 の 15 乗)ジュール。 1 ジュール≒0.239 カロリー(経産省資料より引用)。 ^

※2:未活用エネルギーとは、工場の排熱、地下鉄や地下街の冷暖房による排熱などのエネルギーを指す。 ^

関連記事