2024年04月20日( 土 )

最近の日本出張で日本の防疫体制について感じたこと(後)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 日本の取引先と緊急に打ち合わせをする必要に迫られ、筆者は数カ月ぶりに韓国から日本に出張した。日本への出張は、日本と韓国の両国の防疫体制を比較できる良い機会となった。筆者の体験を紹介する。

 いよいよ韓国から日本に向かう飛行機の搭乗時間となり、飛行機に乗ると乗務員以外の乗客は合計15名ほどだった。検疫に必要な書類2枚を手渡され、記入するようにと言われた。日本の成田空港に到着後は、案内人の指示に従って、韓国から持ってきた書類や機内で記入した書類のチェックを受けたが、それほど時間はかからず、すぐ外に出ることができた。

 行動計画書の以外の場所に行くと、すぐ連絡が来るほどとても厳しいのではないかと予想していたが、実際はそれほど厳しくなかった。空港から目的地に向かうためにリムジンバスに乗ったが、リムジンバスの乗客は連れの人と筆者の2人しかいなかった。本当に申し訳なく、もったいないと感じた。

 しかし、厳しい状況のなかでも交通機関を通常通り運行している日本人に、心のなかで感心していた。日本はどちらかというと、韓国に比べて自由との印象を受けた。韓国ではどの店に行っても、入口で検温を受け、紙への記入またはQRコードで登録しているが、日本ではそのような店はあまりなかった。

 1週間の出張を終え、いよいよ帰国日になった。韓国の空港では、まず機内で記入した検疫用紙を基に、その内容をチェックするところがあり、1人ずつ呼ばれて、イスに座って受け答えに対応した。その次のスペースでは、自己隔離を管理するアプリのインストールをチェックする検査官がおり、まだインストールしていない人にはインストールを行っていた。検査官は軍人であった。

 これらを終えて入国手続きを済ませ、外に出ると待機を命じられて待っていると、案内人が現れ、空港内の別の場所へ移動することになった。別の場所に移動して30分くらい待っていると、今日はホテルに移動してPCR検査を受け、検査結果が出るまでホテルに宿泊し、検査結果が陰性であれば、次の日には帰宅できるという。7、8人ほどが集まったら、バスでホテルへ移動することになった。

 ホテルについたら、1人ずつバスからおり、いくつかの質問を受けた後、PCR検査を受けた。ホテルでは、すべて男性要員が対応していた。PCR検査の方法があまり上手ではなく、悲鳴を上げる外国人もいたが、検査が終わり、弁当、カップラーメン、ミネラルウォーター、チョコパイなどが入った袋を受け取り、ホテルの自分の部屋に入った。

 ホテルは、日本の相場ならツインで1万5,000円ほどのビジネスホテルであった。弁当も意外とおいしく、国に感謝しながら一晩はホテルでゆっくり過ごした。翌朝の午前8時にノックがあり、「(検査結果が出て)帰宅してよいので1階に降りてください」といわれた。新型コロナで海外出張ができないなかで、今回の出張は両国の検疫体制を比較できる良い機会であった。

(了)

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