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2020年11月27日 10:30

アメリカ大統領選挙後の世界秩序を模索する!(3)

 「国際アジア共同体学会(ISAC)年次大会」が11月7日(土)、「ポスト・コロナを生きる日本の道」をメインテーマとして、東京・日比谷の現地会場とオンラインのハイブリッド形式で開催された。
同大会の後援者は、朝日新聞東京本社、(公社)日本中国友好協会、共催者は(一社)アジア連合大学院機構、日本ビジネスインテリジェンス協会、日本華人教授会議。

荒井 正吾 奈良県知事

 第二部では、続いて、「21世紀シルクロードと日本再生の道」と題して、川勝平太静岡県知事・早稲田大学名誉教授(ビデオメッセージ)と荒井正吾奈良県知事・元海上保安庁長官の2人の知事が基調挨拶を行った。

 ここでは、荒井知事が「21世紀シルクロードと日本再生の道」と題して、シルクロードを通じた奈良県の国際交流について語った講演のエッセンスをお届けする。

日本は、韓国、中国などシルクロードを通じた交流交易で発展

シルクロードと奈良の結びつき

 奈良(大和)に政治の中心があった時代(6~8世紀)には、中国の隋・唐を中心としたグローバルな世界があり、シルクロードを通じた交流により、高度な文明が日本に到来した。

当時の隋・唐には、中央アジアにあった巨大王国のササン朝ペルシア(※1)などを通じて、西からの文明が、まるで電気を蓄えるコンデンサのように、何世紀にもわたって蓄えられた。

インドで興った仏教のなかで、大乗仏教が中央アジア、中国、朝鮮半島を経由して日本へ6世紀に伝来。奈良では、多くの仏像がシルクロード経由で日本に到来した。鑑真和上は6回目の渡航の末、753年に日本へ到着。聖武天皇に受戒をし、唐招提寺を建立した。7世紀の奈良にはペルシア人が渡来しており、高松塚古墳壁画の飛鳥美人のスカートは、西安やウズベキスタン壁画のソクド人(※2)のスカートと様式が類似していることからも、シルクロードとの文化交流の活発さが感じられる。

シルクロードを通じた交流交易で日本は発展

 中国や韓国から先進的な制度、技術が日本に伝わった。中国をモデルとして建設された最初の首都である藤原京・平城京(律令国家を創成・育成)から遣隋使、遣唐使を派遣し、漢字の受容、古事記・日本書紀・万葉集の編纂が行われた。

 国際交流としては、文物と技術がユーラシアを横断して日本へ到来。ペルシアとの交流の証として、ササン朝ペルシアでつくられたといわれるガラス器やペルシア風の水差しなどが正倉院で保存されている。

東アジア地方政府会合を設立、7カ国74の地方政府が参加

以上を語ったうえで、荒井知事はこれまでの感謝の印として、「東アジア発展のために」奈良県が行っているさまざまな行事を披露した。代表的なものを以下に紹介する。

東アジア地方政府会合(地方政府間の交流)

 2010年に平成遷都1,300年を記念して設立。共通する課題への議論を通して、解決の筋道を見出そうとするもので、相互理解と信頼の構築、それぞれの行政能力の向上を図り、国家間の外交関係を補完し、平和で安定した東アジアの発展を目指している。現在7カ国(日本、韓国、中国、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア)、74の地方政府が参加している。

平城遷都1300年記念アジアコスモポリタン賞

 12年創設。経済・社会科学、文化の面で東アジア共同体の形成に優れた貢献を行った個人・団体を対象として、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA、※3)が贈呈する国際賞。本賞発案の地、奈良県において、授賞式および記念フォーラムを2年に1回、開催してきた。
 これまで、ピーター・デーヴィッド・ドライスデール氏(オーストラリア国立大学名誉教授)、リチャードE.ボールドウィン氏(ジュネーブ高等国際問題開発研究所国際経済学教授)、マンモハン・シン氏(前インド首相)、福田康夫氏(元内閣総理大臣)などが受賞している。

東アジア・サマースクール開催

 次世代を担うアジアのリーダーとしてグローバルに活躍できる人材の育成を目的に、11年から9回実施。

(つづく)

【金木 亮憲】

※1:イラン(ペルシア)の王朝。226年にパルティア王国を倒して、アルデシール1世が建国。ゾロアスター教を国教とし、中央集権制を確立して西アジアの広大な地域を領有。ローマ帝国とたびたび戦い、ホスロー1世時代にもっとも栄えたが、651年イスラムに滅ぼされた。 ^

※2:中央アジアのタジキスタンとウズベキスタンにまたがるソグディアナ地方のイラン系住民。古代ギリシャのポリス(都市国家)のようなオアシス都市を形成し、紀元前4世紀ごろからシルクロードの隊商の民として活躍。独自のソクド語をもち、ゾロアスター教を信仰した。 ^

※3:東アジアの経済統合に資する政策研究および政策提言活動を実施することを目的として、東アジア16カ国(ASEAN加盟10カ国、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)の首脳の合意に基づき、08年にインドネシア・ジャカルタに設立された国際機関。 ^

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