2024年04月20日( 土 )

【R.W.Sドリブル塾】子どもたちが後悔しないサッカー人生を! 超絶テクニックのドリブルスクールが福岡でイベント

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ドリブル特化型サッカースクール「R.W.Sドリブル塾」

 埼玉県に本部を置く、ドリブルに特化したサッカースクール「R.W.Sドリブル塾」が12月6日、福岡市博多区のフットサル場「スプラージ金隈」でイベントを開催した。R.W.Sはコーチ陣が“魅せる”超絶テクニックが話題のサッカースクール。イベントには小学生65人が参加し、次々と披露される足技の数々に、子どもたちや保護者から歓声が挙がった。

福岡でのイベントの様子
福岡でのイベントの様子

 R.W.S代表の森陰修平氏(27)が掲げる理念は、正統派のサッカー育成方針とは一線を画すもの。しかし、その理念や独自の方法論に共感する保護者は多く、設立から3年で約540人のスクール生が在籍するまでに急成長している。

 森陰代表が掲げる理念の背景には、サッカーを続けるうえで選手が必ず直面する夢と現実との“ギャップ”がある。埼玉県の名門・武南高校のエースとしてインターハイに出場した森陰氏は、サッカー専門学校を経て全国規模のサッカースクールに入社した。1年ほどである支部の責任者まで昇格したものの、次々に辞める部下を前に、なすすべがなかったという。

 「ほとんどの理由は『給料が安すぎる』というもの。『将来を描けない』と言われたこともありました。でも僕は経営者じゃないので何もできない。悩んだ末に、じゃあ自分でやってやろうって」(森陰代表)

 悩んだ森陰代表は、幼なじみの「お前にしかできないことをやれ」の言葉に奮起し、高校時代から「誰にも負けない」と自信があったドリブルに特化したスクールの開校を決断した。ドリブルに対する自信は決してひとりよがりな思い込みではなく、高校時代にJクラブのユースチームと対戦した経験などから積み上げてきたものだ。

 「スピードやフィジカル、戦術眼みたいなものは、確かにJユースのエリートにかないませんでした。でも、中島翔哉選手(FCポルト)がいた東京ヴェルディユースと対戦した時でもドリブルは確実に抜けていたし、そこだけは自信を持っていいってわかったんです」(同)

 森陰代表が考えるドリブルの極意は、(1)ボールの置き場所、(2)タイミングの外し方、の2つ。ボールを必ず利き足の前に置いていつでも触れる状態にすることを心がけ、対峙する相手との距離やタイミングをうまくはずすことで「必ず抜ける」と断言する。「メッシがボールを運ぶときは、どんな時でも利き足の左足でボールを触っています。日本のように〈両足でボールを蹴れるようになれ〉っていう指導とは少し違うと思います」(森陰代表)。

 YouTubeでは、森陰代表自らがマジックのようにも見える超絶テクニックを披露しているため、特殊なドリブルを教えるスクールだと誤解されることもあるが、子どもたちに教えるのはあくまで基本に徹したボールタッチやステップなどがほとんど。いかに華麗なテクニックでも基本技術の複合技にすぎないと言うが、地味な練習ばかりだと子どもたちの集中力が続かないため、スクールの最後にいくつか“マジック”を披露して子どもたちへの宿題にしている。「コーチの技をマネしたい、っていうモチベーションでボールを触る回数が増えてくれたらいい。そのための魅せ技です」(同)。

「R.W.Sドリブル塾」のコーチ陣(代表の森陰修平氏は前列中央)
「R.W.Sドリブル塾」のコーチ陣(代表の森陰修平氏は前列中央)

“プロになれるのは1%以下”の現実

 1992年にJリーグが発足し、各チームのアカデミーやジュニアチームが整備されたことで、サッカーを志す子どもたちにはさまざまな選択肢が用意されるようになった。所属するサッカーチームとは別に、R.W.Sのようなドリブルスクールやキーパースクールなど特定の目的に応じたスクールを併用して、大人顔負けの高度な技術の習得を目指す子どもも少なくない。

森陰代表は指導中、常に子どもたちに声をかけ続ける
森陰代表は指導中、常に子どもたちに声をかけ続ける

 子どもたちが目指すのはチームでの全国制覇、そして個人としては各年代のトレセンなどJFA(日本サッカー協会)のエリート選抜システムのなかで頭角を現すことだ。最終的には日本代表に選ばれて、海外クラブでの活躍まで夢見る。ただし、その道のりは過酷そのもので、それぞれの年代のサッカー少年(小学生男子)のなかでJリーガーになれる確率は1%以下という統計もある。ここまで競争が激しくなるのは小学生の課外活動としてサッカーを選ぶ人数が最も多いためで、高校や大学までサッカーを続けた場合の確率は若干上がることもあるという。それにしても、「サッカーで飯を食う」ことのハードルが極めて高いことは間違いない。

 「でも、J2選手の平均年収を知ってる親御さんってほとんどいないですよね。僕はJチームの選手も知っているし、カンボジアでプロサッカーをやっている友人もいる。実際、『サッカーを辞めたくてしかたがないんだけれど、辞めたら何をすればいいかわからないから続けている』っていう声も聞きます。それだったら自分がしたいサッカーを続けて結果が出ればラッキーだし、もし結果が出なかったとしてもサッカーってもともと遊びで始めたものだから、自分を殺して苦しみながらやる必要はないって思うんです」(森陰代表)

R.W.S鹿児島校が4月にオープン

 森陰代表のサッカーに対する“熱量過多”はかなりのものだ。スクールで子どもたちに向き合うときは常に本気で、たとえ低学年が対象であったとしても本質的な言葉を投げかけて子どもたちなりの「決断」を促す。

 「できるかできないかは問題じゃないんだ。失敗を怖がらずにチャレンジするかどうか。『やる』か『やらないか』なんだ! 人生でもそれが大事なんだよ」(福岡で行われたイベントで)

 九州で初となる鹿児島校は、鹿児島市宇宿で来年4月に開校予定。福岡でも、担当するコーチが決まり次第開校する予定だ。今回のイベントを開催したBoa jogada社の大津保明代表は、「福岡の子どもたちのサッカースキルを上げるために、R.W.Sさんの力をお借りしてイベントを企画しました。森陰代表のサッカー哲学自体が非常に興味深いもので、保護者の方々も含めて大好評でした」と話している。

▶関連リンク
R.W.Sドリブル塾
Boa jogada合同会社/サッカーアプリ「justo」を開発


▶関連動画
12月6日に福岡で行われたイベントの模様
R W Sドリブル塾 1部
R W Sドリブル塾 2部

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