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2021年01月23日 07:00

【年頭所感】コロナ禍の逆風のなかで新たな挑戦、太宰府市をより住みよいまちに〜楠田大蔵市長(前)

 太宰府市は太宰府天満宮、九州国立博物館という観光名所、大宰府跡や水城跡などの史跡を誇るが、2020年はコロナ禍による観光客激減という逆風に見舞われた。福岡都市圏南部に位置するベッドタウンの側面ももち、住みたいまちとしての評価も高めている。観光資源を生かして今後どのようなまちづくりをしていくのか、集大成となる任期の最終年を迎える楠田大蔵・太宰府市長に話を聞いた。

(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役 児玉 直)

20年を振り返って

 ――19年は令和への元号改正で太宰府市がクローズアップされました。20年はどのような年でしたか。

楠田 大蔵 氏
楠田 大蔵 氏

 楠田 太宰府市は19年に令和の発表で注目をいただいた分、20年にはコロナの影響を非常に強く受け、その落差は日本一大きかったかもしれません。観光客数は4〜5月が前年同期比96%減、とくにインバウンドはゼロとなり、商業関係、観光関係の人にとって非常に厳しい状況となり、我慢、苦難の年でした。そうしたなかで、いわゆる「がんばろう令和支援金」という名称で、近隣自治体の3倍に相当する最大30万円の事業者向け補助金を出すという決断に至りました。また、総額6億5,000万円、30%のプレミアムが付くプレミアム商品券を発行し、そのうちの1億円でキャッシュレス決済の「だざいふペイ」も始めました。このように新しい取り組みを実施する決断に至りました。

 太宰府への観光客は、去年の9月ごろからGotoキャンペーンの効果などで回復し始め、11〜12月には前年同期比50%減にまで戻りました。しかし、12月、今年1月とコロナ感染の第3波のため、また市民に初詣の分散参拝を呼びかけたこともあり、初詣は前年比8割減となりました。このように本調子に戻りきれていない状況です。

 衆議院議員として与党、野党のいずれも経験していますが、1人の議員としてよりも、太宰府市のトップ、首長として全責任を負うことで、より厳しい立場にいるということを改めて認識しています。また、その分やりがいもあると感じています。

 コロナの前まで、積極的にいろいろなお祭りや敬老会に参加し、各自治会で市民と語る会などを行ってきました。コロナになってからは残念ながらそのような機会が少なくなりましたが、オンラインでも学生や子供たちと積極的に意見交換を行うようにしています。 

 ――世間の雰囲気が暗くなるなか、市職員の雰囲気は?

 楠田 職員には年末年始も交代で役所に詰めてもらい、役所で信念を迎えた職員も何名かいました。休み返上で頑張ってくれているため、疲労は非常に蓄積しています。私からはコロナ禍の「このようなときこそ、行政の出番」と皆に声をかけており、皆が使命感に燃えてくれている側面ももちろんあります。

 私は常々、世のため人のためという思いから、24時間365日、市のため市民のために頑張ろうと職員に呼びかけてきました。昨年は豪雨や全国最高気温の記録なども経験していますが、とくに災害のように市民が厳しい状況に置かれたときこそ、それを実践する年になったと思っています。

 地元でなにか起きたときに対応できるよう、私はできる限り地域にいようというポリシーのもと、東京への出張はほとんど行っておらず、コロナ以前でも年に3回ぐらいでした。週末も含めて24時間365日地元にという心構えでいます。(出張については)主に全国の史跡地協議会(楠田氏は副会長)、市長会への出席などのために行っていますが、コロナでやはり回数は減っています。

 東京の情報を得るため、旧知の議員、同級生とは電話やメールで連絡を取れる関係性を築いています。また、霞が関(環境省)の職員を太宰府市に受け入れ、太宰府の職員を霞が関に派遣する事業を市として実施しています。職員同士が交流していることにより、リアルタイムで情報が入る体制を整えました。

 ほとんどの市職員は長い年月にわたり勤務してくれていますが、市民からはマンネリ化していないか、風通しが悪くなっていないかという指摘をいただくこともありました。そこで、彼らの潜在力を生かすためにも、外部からいろいろな人材を取り込むことが非常に必要だと考え、副市長に県庁出身者、教育長には学校教師出身者が就き、また環境省との人材交流を行い、そして20年は民間企業(九州電力)との人材交流も初めて行いました。このほか、コロナのなかでこそ、あえて就職氷河期に挫折をした人材を中途で7人採用するなど、活性化と入れ替えをコロナ前から意識的に行ってきました。

(つづく)

【茅野 雅弘】

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