• このエントリーをはてなブックマークに追加
2021年01月25日 13:00

【長期連載】ベスト電器消滅への道(7)

 かつて家電業界で日本一の売上高を誇ったベスト電器がヤマダ電機に完全に吸収された。なぜ、このように消滅するという事態になったのか!当社は長期にわたってベスト電器に関する記事を連載してきた。まず、ベスト電器がかつてビックカメラと合併しようと画策を講じたが、破談となった当時のことを報告する。

ベスト電器の再生を阻む過去のくびき(7)

(2012年3月15日掲載)

 ベストはなぜ負けたか。ヤマダ電機、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、コジマ、エディオンなどの競合量販店が九州に食指を伸ばした、デフレと不況で消費者の購買意欲が薄れた、そうした外部環境の変化は表面的な要因でしかない。

 もっと価格にも変化を持たせられたはずだが、なぜ価格を下げられなかったのか。それはリベートを商品価格に織り込めなかったからだというのが真相のようだ。家電量販店におけるメーカーからのリベートは、決算書上では"販促協力金""仕入割引"などの科目名で営業外収益として計上されるため、営業損益で業績が振るわなくても経常損益を健全な数字にすることが可能である。

 今のようなPOSシステムではなく、現場担当者が商品管理をするような状況であれば、リベートで不正が起こりやすくなる。こうしたリベートは仕入先と担当者の間で話が決まるケースが多く、また現金でなく金券などの場合もあり、会社としては把握しにくい。 

ベスト電器 ここで大事なのが、マーチャンダイザー(MD)との付き合いである。他社メーカーより多く商品を仕入れてもらいたい、良い場所に商品を陳列してほしい。結果、リベートが発生し、さらには飲食・ゴルフなどの饗応・接待に予算を投じる。ここで得られたリベートは当然、個人の懐に入れてしまえば着服になるため、通常は営業外収益として計上しなければならない。

 ベストの場合、リベートのうち95%は商品コストに算入され、5%はMDリベートといわれ、競合店対策、営業支援、関連会社の損失補てんなどに使われるが、一部が間接的にベスト経営幹部の懐に入っているようだった。「特定の関連会社やフランチャイズにリベートが流れている」といううわさも、社員間では話題になっていたようだ。また「ベストのリベートは商品以外のどこかに流れているから価格競争力がない」とうわさするメーカーもいる。

 ところで投書によれば、濱田元社長は現在、福岡市南区のソンズ(株)という、店舗内外装工事や太陽光発電システム、オール電化リフォームを手がける会社の顧問をしているという。「同社会長の太田潤氏は以前、2007年清算した沖縄ベスト電器の社長を務めており、約2億円の負債を抱えて破産寸前だった。有薗氏が専務時代に泰陽商事の資金で救済し、清算に至った」(投書)とされている。その後、太田氏はソンズを設立し、ベストボーイなどベストのキャラクター制作をメインとして、ベストの太陽光発電のFCとなった。そして現在、同社にリベートを分配する仕組みがつくられているという。

 有薗氏がリベートに関する主導的な指示をし、経理に明るい深澤氏が事務的な部分を担っていた。それは深澤氏が営業本部長になってから顕著になったという。「有薗さんはベスト会長退任後、不正追及の手が自分にまでおよんだと思ったのかもしれない」(ベスト関係者)。しかし、その恐れもなくなった現在、ベストへの希望納入業者(大手メーカー除く)から仲介手数料やリベートの要求など、濱田氏を窓口として頻繁に介入していると聞く。

(つづく)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2021年03月07日 07:00

【新・「電通公害」論】崩れ落ちる電通グループ~利権と縁故にまみれた「帝王」の凋落(2)

 日本の総広告費はGDPの拡大とともに年々増加の一途をたどり、今や7兆円に迫る規模に達している。電通は商業テレビがスタートした1953年以来、そうした日本の総広告費の...

2021年03月07日 07:00

別府市のマンション設計偽装~大分県は早急に県内の建物調査を行うべき(5)

 『別府市付近には、西日本を横断する断層帯である「中央構造線」に連なる断層帯がいくつもあります。大分県のホームページでは別府付近の断層を震源とする地震や南海トラフを震...

家族的な風土で社員の信頼関係を高め さらなる組織力強化を図る

 少子化に歯止めがかからないなか、政府は「働き方改革」を掲げ、IT活用による生産性の向上や労働環境の改善を促進。こうした取り組みによって離職率の低下と人材が確保できる...

2021年03月06日 08:00

極細1mmのふわふわ金糸モンブラン、太宰府天満宮参道で話題のソフトクリーム

 福岡の観光地・太宰府天満宮の参道にある金糸モンブラン専門店「香菓(かぐのこのみ)」が話題となっている。昨年12月25日のオープン以来3日間で1,000人を超える人気...

2021年03月06日 07:00

【新・「電通公害」論】崩れ落ちる電通グループ~利権と縁故にまみれた「帝王」の凋落(1)

 圧倒的な力を背景に、長期にわたりマスコミを支配し続けてきた広告代理店・電通グループ。だが、「驕れるもの久しからず」。広告料不正請求事件や過労死事件に象徴されるように...

2021年03月06日 07:00

別府市のマンション設計偽装~大分県は早急に県内の建物調査を行うべき(4)

 『「構造特性係数(Ds)」とは、保有水平耐力計算においてその建物に必要とされる「必要保有水平耐力(Qun)」を求める際の係数であり、Dsの値が大きいほど、その建物に...

誠実・勤勉に仕事を全うし地場総合建設業の使命をはたす

 (株)末永工務店は地場総合建設業として、1957年4月の創業以来63年間、地元・福岡を中心に、数多くの実績と信頼を積み上げている。今日も現状に甘んじることなく研鑽を...

いつの時代も正直に まちづくりに貢献し続ける

 福岡県内トップクラスの総合建設業として、地域のまちづくりに貢献し続ける照栄建設(株)。1972年6月、前畑一人氏によって創業され、2代目の中村悦治氏、そして2017...

企画が強みのアメイズマンション 機会を捉え新規事業にも挑戦

 九州の地方都市では、実家から独立して持ち家を求める若者や、通院に便利なようにインフラが整った街中に住みたいと望む老夫婦が、「2つ目の住宅」としてマンションを購入する...

2021年03月05日 17:19

会計法人代表らを逮捕、1.8億円脱税の疑い(福岡地検)

 福岡地検は4日、法人税や消費税など約1億8,000万円を脱税したとして、法人税法違反などの疑いで、(株)会計法人SASパートナーズ(東京都渋谷区)の武藤貴弘・代表取...

pagetop