経営教訓(2)銀行の無節操ぶりに気を許してはならない
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創業者の体調が芳しくないため、妻が社長をしている会社の話。この社長は高い経営能力を有している。メインバンクから「ご主人の体調不良に鑑みて、御社の売却を考えてみてはいかが」とM&Aの誘いを受けたという。社長は「売却先が上場会社であれば」と回答した。
メインバンクはすぐに条件を満たす企業を提示してきて、M&Aの話はトントン拍子で進んだ。デューデリジェンス(企業価値調査)の結果、12億円との査定を提示されたため、社長は「馬鹿にするな!」と話を断った。社長は23憶円以上であれば売却する腹積もりであった。
次に「今後は全国規模でメンテナンス事業が必要となっている。地方ブロックでメンテ工事をこなす会社がほしい」とメインバンクに漏らしたところ、関西地区に本社がある企業を勧められた。年商10億円という。今回は気乗りになっている。
社長は「メインバンクといえども、いわれるままにしていたら食い殺される。こちらから方針を出して、メインバンクをこき使わないとよい結果は出せない」と喝破する。
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