2024年04月26日( 金 )

「炎の商人(あきんど)」としての気持ちを忘れず 顧客に喜ばれる店舗づくりを実現

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(株)フードウェイ

スーパー事業に参入して20年、さらなる成長を続ける

 生鮮品に特化したスーパーマーケットとして、生鮮食品の専門店が集結し、「安心・安全」をモットーに、生鮮食品のプロが選んだ食材を、求めやすい価格で提供する(株)フードウェイ。福岡県を中心に九州で「フードウェイ」「ハイマート」は高い知名度を確立しているが、近年、東京や静岡、神奈川、千葉、広島においても、急速にブランドが浸透してきている。

 同社は、食肉の小売業、ミートイン・ハイマートとして1991年に創業したのが始まり。創業企業のミートイン・ハイマートの食肉小売業とスーパー事業部であるフードウェイの2社体制でグループを形成しているがそのほとんどを当初は福岡エリアを主体に店舗展開してきた。2010年には店舗の屋号をフードウェイに変更し、県外にも積極的に進出。14年には社名もフードウェイに変更し、さらなる出店ペースで拡大してきた。スーパーマーケットとしては後発ながら、グループ合計の売上高は290億円を超え、従業員数も1,800名を超えるまでに成長を遂げている。店舗数もフードウェイで24店舗、ハイマートで4店舗、ミートイン・ハイマートで33店舗を運営。そのほか、グループ企業として食肉を取り扱う(株)エムツー、鮮魚を取り扱う(株)絆、青果を取り扱う(株)KCJapanがある。

「顧客に喜ばれる店舗」を目指し ブランド力の向上を図る

2020年6月30日にオープンした
「ソコラ武蔵小金井クロス店」

 すでに飽和市場といわれているスーパーマーケット業界のなかでも年間2〜3店舗を出店する同社は5年以内にグループ売上高500億円を目指し、事業を展開している。

 創業者であり代表取締役社長を務める後藤圭介氏は「出店を決める基準は、その土地の経済規模と立地条件になります。近年は競合が多くとも大消費地への出店が増えています。直近でいうと今年6月に『ソコラ武蔵小金井クロス店』がオープンし、上々の人気を得ています。こちらの店舗では、店内手切りでおいしいお肉やブランド牛の販売をするお肉専門店『牛蔵』、毎日市場から直送するお魚の専門店『山助』や野菜・果物の専門店『大東青果』のほか、チーズの量り売りや全国から集めたこだわり商品など、他のスーパーにはない商品を取り寄せて生鮮品を強化しています。関東地区では7店舗目ですが、こういった付加価値をそろえることで、当社のブランド力が上がり、さまざまな施設から出店の引き合いも多くなってきています」と、その好調ぶりをうかがわせる。

精肉にこだわった
「生鮮びっくり市場フードウェイトリアス店」

 生鮮強化型スーパーマーケットということが同社の強みであることは明白だが、それ以外にもさまざまな工夫が店舗の魅力を引き立たせている。その1つが変幻自在の店舗づくりだ。通常、多店舗展開を行うスーパーは同じようなレイアウトで同じような商品を取り扱うことが主流だが、フードウェイでは郊外型の大規模店舗やグレード重視の店舗、産地直送にこだわった店舗など、多様なコンセプトがあり、店舗ごとに個性的なつくりになっている。これは店長が現場の社長であるという同社の社風が浸透しているからだ。現場の判断を重視する体制ができ上がっているため、後藤社長のもとには日々多くの提案が舞い込んでくる。基本的には「何でも挑戦してみよう」というスタンスから店長をはじめ、社員たちの意見も通りやすい。経営陣との意思疎通の図りやすさは働きやすさにつながり、同社に良い人材が集まってくる要因となっている。

数字に対する意識改革により早い段階から経営者的視点を養う

研修の様子。切磋琢磨できる環境が整っている

 出店を続けるには、人材の確保と育成が必要不可欠となる。同社では年間を通して採用活動を行っている。

 「新卒は高卒・大卒ともに募集していますし、中途採用も行っています。現在は新型コロナウイルスの感染拡大の影響でリモート対応やアクリル板越しの面接は大変ですが、人材確保には力を入れていきたいと考えていますから苦にはなりません。同社を選んでくれたからには同じ『仲間』として接し、ともに成長できればと思っています。採用後は3カ月ごとに部署を変えて現場の仕事に触れてもらいます。基礎を学び、研修が終われば適性や要望に応じた部署に配属します。そこからは本人の実力次第です」(後藤社長)。

 同社には創業当時から「炎の商人(あきんど)」という理念がある。これは①額に汗してつくったものは額に汗して売らねばならぬ、②魂を込めてつくったものは魂を込めて売らねばならぬ、③涙を流してつくったものは涙を流して売らねばならぬ、④数字が半分足りないときは数字の2倍やらねばならぬ、⑤人に遅れをとりたるときは人の数倍動かねばならぬ、という後藤社長の想いだ。前述した通り、同社では店長が現場の社長だ。社長ということは当然、数字にもシビアでなくてはならない。後藤社長も常々、売上高、営業利益率、人件費はしっかりと頭に入れておかなければならない。

 多くの企業のリクルート活動では「やりがいがある」「楽しく仕事できる」「充実した職場」といった単語が並ぶが、同社の社員の声は「数字の変化や、買いやすい売り場づくりが楽しい」「商品部や店舗運営部で仕組みづくりや人の教育を行える存在になりたい」などといった経営者目線の声が多い。また、「毎年新店がオープンするので努力次第では役職者になれる」との声からは、職歴や雇用形態に関わらずチャンスは平等にあることがうかがえる。

 「当社は若い人材も多く、それぞれの分野で成長してくれていますので、今後さらなる発展を期待しています」と語る後藤社長の表情は明るい。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:後藤 圭介
所在地:福岡市早良区高取1-2-22
設 立:2000年6月  
資本金:5,000万円
TEL:092-852-8170
URL:http://www.foodway.co.jp


<プロフィール>
後藤 圭介(ごとう けいすけ)

1960年3月、福岡県生まれ。91年、食肉小売業のミートイン・ハイマートを創業。2000年6月、スーパーマーケット部門を独立させ、(株)ハイマートを設立。14年3月、社名を(株)フードウェイに変更。19年7月に本社を福岡市早良区に移転。

 

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