2024年04月20日( 土 )

【DX】佐銀などの投資ファンド 飯塚市のブロックチェーン・ベンチャーに投資

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 佐賀銀行(佐賀市)とオプティム(東京都港区)は4月27日、デジタルトランスフォーメーションファンド投資事業有限責任組合第1号の初案件として、ブロックチェーン技術を応用するプラットフォーム「タピルス(TAPYRUS)」をオープンソースで開発するベンチャー、「チェーントープ(chaintope)」(福岡県飯塚市)に3,000万円の投資を実行したと発表した。

 同投資ファンドは、佐賀銀行、オプティム、佐銀キャピタル&コンサルティング、オプティム・バンクテクノロジーズが出資し20年8月に設立した。ファンド総額は3億円。デジタル技術による社会変革やAI・IoT技術の開発などに取り組む意欲的な中小・中堅企業の支援を狙う。

 チェーントープは19年11月、オープンソースによる「タピルス」の開発を目指し、ソースコードを「Github」(ソフトウェア開発プロジェクトのためのソースコード管理サービス)で公開した。ブロックチェーン技術は、誰もが自由に参加できる半面、機能の追加や事故発生時の救済が困難なことなどが、社会インフラとして応用するネックになっているという。

 同社は、タピルスに各種拡張機能を追加しながら商用化を目指しており、各種実験に積極参加する。たとえば飯塚市の社会実験では、住民票をデジタルデータとしてスマホにダウンロードして会社などに提出すると、それを市役所が認証する。佐賀市の実証実験では、市の清掃工場の発電実績と公共施設の再生可能エネルギー電気供給サービスの利用実績をブロックチェーンに記録。電力の“地産地消”を証明する「資源循環証書」を発行する。

 今回の投資は、チェーントープが発行した優先株式をデジタルトランスフォーメーションファンド投資事業有限責任組合第1号に割り当てる形態だった。

【南里 秀之】

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