【再掲】2050年代を見据えた福岡のグランドデザイン構想(31)~新福岡空港島(案)への鉄軌道「新空港アクセスライン」の検討
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C&C21研究会 理事 下川 弘 氏
新福岡空港への鉄軌道の乗り入れを考える場合は、やはり博多駅からのアクセスということになるだろう。博多駅には福岡市地下鉄も乗り入れているため、大深度地下を利用したトンネルとしたほうが、工事期間中の地上への影響は少ないと思われる。
鉄軌道は、博多駅~新空港間の約16kmをほぼノンストップで行き来するシャトル便とすれば、平均時速80kmで走行したとしても約12分しかかからない。現在の博多駅から福岡空港までの所要時間は、福岡市地下鉄を利用して約5分。所要時間は約2倍になるが、もともとの時間が短いため、それほど不便さは感じないだろう。
なお、所要時間をもっと短くしたいのであれば、現在はリニアなどの新高速システムもある。だが、リニア高速を使うには距離が短く、費用対効果を考えてもメリットはあまりないように思える。
運営事業者については、福岡市交通局になるのか、それともJR九州や西鉄などの民間事業者が参入してくるのかどうかはわからない。ただし、この新空港アクセスラインは、開通後には「ドル箱路線」になることは間違いないと考えられるため、福岡の鉄道事業者以外のJR各社や、東京地下鉄、近鉄、阪急などが参入してくる可能性もある。
筆者の個人的な要望としては、福岡以外の鉄道事業者にも、投資や新技術の導入などを含むさまざまな提案を行ってもらいたい。
(つづく)
<プロフィール>
下川 弘(しもかわ・ひろし)
1961年生まれ、福岡県出身。熊本大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程を修了後、87年4月に(株)間組(現・(株)安藤・間)に入社。建築設計第一部や技術本部、総合企画本部企画部などを経て、99年1月には九州支店営業部に配属。その後、建築営業本部やベトナム現地法人、本社土木事業本部営業部長などを経て、2020年9月から九州支店建築営業部営業部長を務める。社外では99年9月からC&C21研究会事務局長(21年8月から理事)を務めるほか、体験活動協会FEA理事、(一社)日本プロジェクト産業協議会の国土・未来プロジェクト研究会幹事、(一社)防災教育指導協会顧問など数々の要職に就いている。関連キーワード
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