2022年01月23日( 日 )
by データ・マックス

【山口FG吉村猛氏 事実上の解任】内部の告発(2)

 引き続き山口フィナンシャルグループ(下関市)本部関係者からの、声を届ける。

同社本部関係者C

 吉村が新規事業を勝手に進めたことが解任理由となっていますが、先進的な事例として金融庁も評価していました。監督機能を発揮できなかった金融庁にも責任の一端があると言いたいですね。田中耕三問題はもみじ銀行との経営統合で目をつぶり、吉村問題は山口FGの脱銀行を評価して内部告発を無視してしまったのです。取締役会でガバナンスの問題が指摘された以上、見て見ぬふりはできなくなったのでしょう。

 今回の解任で田舎の銀行の醜聞から、全国ニュースに変わりました。噂レベルですが、東京の週刊誌や経済誌が動き出したとの話も聞かれます。これまで第一生命の詐取事件でも山口銀行の名前が前面に出ることはありませんでしたが、フェーズが変わるのではないでしょうか。取締役会はパンドラの箱を開けてしまったのかもしれないですね。

 執行役員は吉村に取り入って、若くして抜擢された連中ばかりです。そして本部経験の長いイエスマンしかいないのが現状です。彼らが舵取りすることには違和感しかないです。少なくとも銀行の役員と取り替えるくらいのことは必要です。しばらくは司令塔不在の混沌とした状況が続くのでしょう─内戦を行っていた幕末の長州藩のようですね。

同社本部関係者D

 吉村の愛人はどうするのかと話題にはなっていますが、本人以外には決めようがないですね。当社に残るのであれば、心を入れ替えて、謙虚になる必要があるでしょうね。吉村の愛人は、そういうタイプではないようには思いますが…。途中で投げ出した事業に、本気になって再チャレンジすれば見直す人も出てくるのではないでしょうか。多分やらないでしょう…

 椋梨は、吉村が続けてきた事業は大幅な見直しが必要だと認識しているはずです。証券子会社がありながら、SBI証券と提携するという歪な構造は解消するのではないでしょうか。なぜなら、吉村とSBIホールディングス・北尾吉孝社長の個人的な関係によるものでしかないので、SBIとは関係解消の方向にいくでしょう。オリバー・ワイマングループと付き合いを続けることも難しいと思います。

 記事になっていた保険関連の子会社も吉村の独断で存続しています。第一生命子会社の商品を優先的に販売しているという内部情報もあり、何らかの方向性を出すのではないか。

 吉村は農業や地域振興など、“雨後の筍”のように会社ばかり作りました。吉村は何がしたかったのだろうかと不思議に思います。銀行は応援する立場で、自ら取り組む必要はなかったのではないかと思います。当社はまた小説の題材を提供してしまいましたね…。

 以上のように同社内では「吉村解任を歓迎する」雰囲気が圧倒的である。吉村が再び表舞台に出る可能性はほとんどなくなった。他方で「山口FGが抱える病巣の根本的な解決にはならない。椋梨がリーダーでは解決できるか疑問に思う」という声も圧倒的だ。吉村解任は、同社正常化に向けたスタートであり第一歩だ。「これでよし」という認識では、再び同社はぬかるみにはまる。今回の事態を好機として、生まれ変われるかは、末端社員まで含め全社が一丸となって改革を断行するのみだ。

(了)

【特別取材班】

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