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2021年09月09日 17:36

【再掲】2050年代を見据えた福岡のグランドデザイン構想(49)~大深度地下ダム構想

C&C21研究会 理事 下川 弘 氏

 福岡市では昔から渇水に見舞われたり、大雨で浸水したりと、水による災害が頻発してきた。とくに1999年6月29日には、集中豪雨によって御笠川が氾濫し、博多駅周辺一帯が水没。駅近くの地下街に流れ込んだ濁流によって地下室に閉じ込められた1名が溺死したほか、多くの建物が浸水する被害が発生した。

 福岡市では、このときの甚大な浸水被害を踏まえて「雨水整備Doプラン」を策定。時間雨量59.1mmに対応する雨水排水施設の整備(59地区)を進め、2018年度までに完了した。博多駅周辺ではとくに「雨水整備レインボープラン博多」と称して個別の計画を作成し、対応してきた。

 しかし近年では、線状降水帯による局地的豪雨の発生回数や、竜巻や突風の発生なども年々増加。「想定外の雨量」や、「数十年に一度の大雨」などという表現も、もはや当たり前になってきている。

 そこで、こうした水害に備えて、万が一のための「地下ダム」を大深度に整備する構想を考えた。現空港敷地の西側を流れる御笠川の月隈4丁目あたりから、この地下ダムに取水し、北側の二又瀬あたりから宇美川へ放流する。東京では「地下神殿」とも呼ばれるような、首都圏外郭高水路のようなイメージの地下ダムである。

 これにより、集中豪雨による洪水の発生が懸念される場合には、この地下ダムに水を流し込んで災害の発生を防ぎ、逆に渇水が心配されるときには地下ダムに水を貯水して対応する、といった利用が可能であると考える。

地下の活用3(大深度 地下ダム)

(つづく)


<プロフィール>
C&C21研究会 理事 下川 弘 氏下川 弘(しもかわ・ひろし)

1961年生まれ、福岡県出身。熊本大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程を修了後、87年4月に(株)間組(現・(株)安藤・間)に入社。建築設計第一部や技術本部、総合企画本部企画部などを経て、99年1月には九州支店営業部に配属。その後、建築営業本部やベトナム現地法人、本社土木事業本部営業部長などを経て、2020年9月から九州支店建築営業部営業部長を務める。社外では99年9月からC&C21研究会事務局長(21年8月から理事)を務めるほか、体験活動協会FEA理事、(一社)日本プロジェクト産業協議会の国土・未来プロジェクト研究会幹事、(一社)防災教育指導協会顧問など数々の要職に就いている。

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