2022年08月15日( 月 )
by データ・マックス

マンション管理適正化法の改正案

マニュアルと基準の精度

 検討会の構成員からは除却の対象基準について、「除却の対象になるようなものは、少なくとも現行基準には適合していない」「これまでに外壁補修やスラブ下配管方式の配管を床下から出す改修を行っているマンションについて、建替えを行いたいとなった場合に、改修をしてしまったがために容積率緩和特例が受けられなくなる状況の際にどうすべきか」といった意見が挙がっている。

 これらを踏まえ、検討会は6月24日から7月26日にかけて、有識者らを含む個人・団体からの意見を回収する期間を設け、対応方針を検討した。とくに今回は「火災安全性に係る基準」「外壁等剥落危険性に係る基準」「配管設備腐食等に係る基準」の3つの項目を基に、どのような資格者が調査を行うべきかなどが話し合われた(図3)。

図3 円滑化における要除去認定基準

 火災安全性については、既存不適格建築物であることの確認のため、「指定確認検査機関による建築基準法適合状況調査を活用してはどうか」という意見が寄せられたが、申請を行う管理組合、審査を行う地方公共団体の双方にとって負担が大きいため、要除却認定の基準上は求めないこととした。

 外壁等剥落危険性においては、「調査対象箇所や劣化状況の数え方などがわかりづらい」という意見が挙がり、実務マニュアルの作成を検討することが決定している。また、特定行政庁が「簡易な修繕で改善することが困難であるものとして、特定行政庁が認めるもの」を判断することは難しいという意見もある。

 配管設備腐食等に係る基準では、現在の2カ所以上での漏水に加え、「耐用年数を超過したものも対象にすべき」という意見が挙がったが、検討会は耐用年数を経過していても著しく衛生上有害となる恐れがあるとはいえないとし、「耐用年数の超過」のみで要除却認定の対象とはしないとした。今回の検討会では、よりわかりやすいマニュアルの作成と基準数値の根拠説明の希望が挙がっており、「調査員ら現場が困らないようにするにはどうすべきか」「除却対象基準をどのように決定していくか」の2点を重要視するとともに、今後も精度を上げていくとした。

(了)

【麓 由哉】

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