最貧困国の貧困地から、モザンビークの未来を担う人材を輩出する
-
(一社)モザンビークのいのちをつなぐ会
代表理事 榎本 恵 氏テロ激化の最貧国でいのちを守る活動
「最貧困国」といわれるアフリカ南部の国、モザンビーク。地域により発展の度合いが大きく異なるものの、北部のカーボデルガド州は貧困度がとりわけ高く、「忘れられた州」と呼ばれるほどだ。しかも近年、州都ペンバの北方にある天然ガス開発地域でイスラム過激派によるテロ攻撃が激化。2020年暮れには同市に13万人超もの避難民が殺到し、ワールドニュースでも大きく取り上げられた。まさにその地で、苦しむ多くの人々を支える活動に10年近く取り組んでいる1人の日本人女性がいる。榎本恵さんである。
榎本さんは元々、ベンチャー企業の立ち上げ・事業拡大支援を行う事業に携わっていた。12年、バイオ燃料系企業のモザンビーク進出の支援を手がけたことをきっかけに現地入りし、そこで「先進国と後進国の都合論の不調和」を痛感。翌13年4月にNGO「モザンビークのいのちをつなぐ会」を設立したのだった(18年12月に一般社団法人(非営利)化)。現在、100人のメンバーとともに活動を行っている。
「縁の下の力持ち」に徹する
活動内容は、道徳教育を基本に初等教育を施す「寺子屋の建築・運営」や、細菌やウイルスなどの感染症による乳幼児死亡率の低減を図る「公衆衛生活動・美化活動」、井戸・トイレを設置する「水環境活動」など。2021年2月には、ペンバへのテロ攻撃に備えて子どもたちの疎開先確保が急務となったことから同市から南へ車で約5時間の場所にあるナンプラ州に「ナンプラ寺子屋」を新設し、子どもたちの寝食、教育の世話、公立学校への編入サポートなどにも取り組んでいる。
活動を行ううえで心がけていることといえば、「貧困地区の人とモノの力をいかすことです。主人公はモザンビークの人たちであるのが重要で、私は黒子に徹し、縁の下の力持ちでありたい」、と榎本さん。モザンビークはアフリカのなかでも教育レベルが非常に低い。「モザンビークの無教育の連鎖を解消し、未来を担う若者の可能性を開花させたい」と将来の展望を語る。
モザンビークの音楽を通じて世界に平和を
同会はまた、設立時からモザンビークの国民的アーティストのナジャさんとも歩みを共にしてきた。同国の伝統音楽を礎にした個性的なアフロ・ポップ・ミュージックで高い評価を得ているナジャさん。15年から日本で公演を開始し、19年からはヨーロッパでもツアーをスタート。これまで300カ所を超える公演をこなしてきたほか、近年はアフリカ諸国の要人のパーティーで演奏することも増えているという。20年10月には福岡県や大分県でもライブが行われた。同会は、ナジャさんの音楽を通じた社会貢献を支援しながら、いのちの尊厳を護るための活動にいまもいつまでも向き合い続ける。
▼2021―22年Winterナジャ公演最新情報
https://www.tsunagukai.com/information/makonde<モザンビークのいのちをつなぐ会への募金>
【銀行振込】
三井住友銀行 天神町支店:717 (普)1920099
名義:モザンビークのいのちをつなぐ会代表榎本恵
【クレジットカード】
寄付プラットフォーム・シンカブル
<INFORMATION>
代 表:榎本 恵
所在地:(ペンバ事務所)Rua sem Saida,Bairro de Natite,Pemba,Cabo Delgado,Mozambique
(福岡事務所)北九州市小倉南区朽網西3-12-6
設 立:2013年4月
URL:https://www.tsunagukai.com
<プロフィール>
榎本 恵(えのもと めぐみ)
1973年生まれ。北九州市出身。2000年からベンチャー企業の起業・新規事業開拓事業サポートを行い、12年、日系バイオ燃料企業の依頼によりモザンビーク入り。半年間事業に従事し、13年、NGOモザンビークのいのちをつなぐ会を設立、18年に一般社団法人化。支援の手の届かない北部の貧困地区に事務所兼住居を構え、教育や公衆衛生活動、環境保全、テロ紛争被災者支援などを貧困地区に住むメンバー総勢100人と行っている。関連キーワード
関連記事
2024年12月6日 12:302024年11月29日 14:302024年11月28日 12:102024年12月4日 12:302024年11月27日 11:302024年11月26日 15:302024年11月18日 18:02
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す