九州ダービーはスコアレスドロー～福岡0−0鳥栖

　サッカーJ1リーグのアビスパ福岡は1日、ホームのベスト電器スタジアムにサガン鳥栖を迎えて第6節の試合を行った。

　今季初の九州ダービーとなったこの試合。アビスパは前節ガンバ大阪戦で今季リーグ戦初勝利を挙げており、やや低調だった序盤戦の巻き返しを図りたいところ。対するサガン鳥栖は、昨シーズンの中心選手が軒並み移籍でクラブを去ったことで苦戦が予想されたが、川井健太新監督がみごとにチームを統率。ここまで1勝ながらも無敗で着実に勝ち点を積み重ねている。

　桜が満開を迎えたスタジアムには、やや冷たい風が吹いていたが、プレイヤーにとっては絶好のコンディション。試合は両チームの気迫と戦術が真っ向からぶつかり合う好ゲームとなった。

　サガン鳥栖はウイングバックを置く3−4−2－1、アビスパはおなじみの4−4−2でスタート。鳥栖のウイングバック飯野七聖、岩崎悠人はアビスパの両サイドバックの外側、大外のレーンに位置取ってピッチを広く使おうと試みる。2シャドウの堀米勇輝、菊地泰智はアビスパのDFとMFの間を自由に動いてプレスを回避しながらボールを受け、何度もペナルティエリア内に侵入してチャンスを演出していた。

　対するアビスパは、押し込まれるシーンが多かったものの、最後は身体を張ってピンチの芽を摘み、強度の高い守備で互角の戦いを繰り広げた。

　鳥栖に主導権を握られ、相手に対応するリアクションサッカーを強いられた前半のアビスパ。しかし、後半に入ると、鳥栖のウイングバックの背後をMF田中達也、MFジョルディ・クルークスが狙うシーンが増え、徐々にアビスパが攻撃する時間が増えていく。

　そして69分、MFクルークスのクロスをFW山岸祐也が競り、こぼれ球がFWルキアンへ。鳥栖DFとルキアンがもつれてこぼれたボールをMF中村駿がシュートを放ち、これがネットに突き刺さる。中村駿、J1初ゴール……と思われたが、VARの結果、オフサイドの判定。得点は認められなかった。

　その後、両監督は攻撃的な選手を投入して得点を狙うが、堅守に阻まれ得点は生まれない。アビスパは新戦力のDF柳貴博が登場。躍動感のある攻撃参加でベススタを何度も沸かせた。

　試合後の記者会見では両チームの監督・選手が「絶対に勝ちたかった」と口をそろえたように、ダービーの名にふさわしい意地と意地がぶつかり合う熱戦となった。

【深水　央】