2024年05月06日( 月 )

【投稿】福岡市の日本語学校が留学生への人権侵害で処分

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 NetIB-Newsでは、読者のご意見を積極的に紹介し、議論の場を提供していきたい。
 今回は7日、日本語学校としての認定を抹消された学校法人宮田学園 西日本国際教育学院(福岡市南区)に関して、関係者から寄せられたご意見を紹介する。

事件の経緯

 被害にあったベトナム人留学生チャン・マウ・ホアンさん(当時21歳)は、2020年12月に来日して同学院に入学した。

 10カ月ほど通学するうちに、本人が期待していた授業とは違っていたので転校を希望したところ、同学院は認めず手続きなどの対応を拒否した。そのため、チャンさんは「健康上の理由で退学して帰国したい」と退学の意思を伝えた。

 昨年10月、同学院の職員が「パスポートと在留カードを預かる」と提出を求めた。チャンさんは、この申し出は不合理だと判断して断った。

 すると突然、その男性職員は自分のベルトとチャンさんのベルトを鎖でつなぎ南京錠をかけて拘束するという、悪質な人権侵害行為を働いた。動画や映像はウェブ上で視聴することができる。

事件について、同学院の元職員が語る

 元職員数名は「悪質な人権侵害行為が明らかになって、よかった」と口をそろえて言う。「こんな日がいつ来てもおかしくない、と思いながら働いていた」というのだ。「むしろ遅かったぐらい」と補足する元職員もいた。

 同人は、「自分が在職していたあいだにも、鎖で拘束こそしていないものの、留学生が逃げられないように軟禁、監禁したという話は何度も聞いている」と語った。

 たとえば西日本国際教育学院として、出入国在留管理庁からの学校に対する評価点数が下がらないようにという一心で、理事長や総長が徹底した指示を出す。そして職員たちは、その指示に忠実に動く。

 たとえば不法滞在になる可能性が高い学生や万引きをした学生などを、狭い部屋に軟禁状態で閉じ込める。そこで職員は学生に非があることを説得して帰国を促すことに必死になる。

 同元職員は、何度か直接学生を説得する役回りを任されたという。また、ほかの職員が説得する場面もたびたび目撃したこともあったそうだ。

 「帰国させる前日から翌朝にかけては、学生が絶対に逃げられないように、狭い部屋の一室に軟禁状態にしていた。そして職員が空港まで送り届けた」という証言もあった。

 「そもそも理事長と総長の夫婦は感情的で、激しやすい面がある。毎日の朝礼や業務時間中に、少しでも2人の気に触ることがあれば、職員や教師を呼びつけて罵詈雑言を浴びせかけ、恫喝するのは日常茶飯事だった。
 職員らは、いつも理事長と総長の顔色をうかがいながら、機嫌を損ねないようにと委縮しながら働いていたのが本当のところだ」と、元職員は当時の仕事環境を語ってくれた。

 そして「当時と現在とで、職場環境はまったく変わっていないはず」と断言する。

 「外向けにきれいごとを語る顔と、学校内で職員たちに暴言を投げつける内向けの顔と、2つの顔を持つ夫婦の経営者。今回の虐待事件発覚で処分を受けたことについても、何ひとつ同情できない。今回5年の登録抹消処分となったが、むしろもっと厳しい処分が下されてもおかしくない」というのである。

 国際貢献専門大学校は、今回の処分の対象外ではあるが、同じ経営者が運営している。

 元職員は、「一事が万事ということわざがある。たとえば入学に当たっての勧誘方法などなど、まだ顕在化してないだけで同様な悪事が潜在的にあるという疑いもある。今後、厳しい視点で観察しておく方が賢明だと思う」と話してくれた。

(2)

関連キーワード

関連記事