【福岡IR特別連載110】HTB買収の中国企業がSNSで大炎上
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中国不動産ファンドPAGによるハウステンボス買収問題が、国会議員のあいだにも広がりつつある。自民党片山さつき参議院議員を筆頭にした保守派の与党議員に加え、国民民主党の玉木雄一郎代表、さらには共産党の議員までが、この問題を日米安保・日米経済安保にかかわる大問題だとしてSNS上で警鐘を鳴らしている。
さらに、経済安全保障問題に詳しく、故安倍元首相のブレーンとも言われた青山学院大学客員教授・ジャーナリストの峯村健司氏や、修猷館高校および九州大学卒の弁護士・堀内恭彦氏によるものまで、この問題に関する懸念や酷評でSNS上が大炎上しているのだ。
すでに解説したように、ハウステンボスを買収するPAGは、中国香港を拠点とするアジア有数の不動産投資ファンド。同社の会長兼CEOのウェイ・ジャンシャン氏は、北京の大学卒業で、同大学教員を勤めたのちに米国に渡り、サンフランシスコ大学などを卒業、修士号および博士号も取得している。国際社会でも中国習近平政権や共産党とのつながりが深い人物として知られている。
したがって、ウェイ氏とPAGは中国共産党幹部たちのマネーロンダリングを一挙に請け負っているという噂がささやかれているのも不思議ではない。佐世保には米海軍基地、陸上・海上自衛隊基地、海上保安庁基地がある。日米安保に加え、日米経済安保のセキュリティクリアランス(適格性の評価)の上でも、重要なテーマである。佐世保市の特殊性を踏まえると、このようなバックグラウンドを持つ彼らが関わることを日本政府が見逃すことはあり得ない。
長崎IRの関係者たちは日米安保・日米経済安保をまったく理解していない
筆者は当初から重ねて解説しているが、本件IR誘致開発事業は、当時の米国トランプ前大統領と今回非業の死を遂げた安倍晋三元首相との「安倍・トランプ密約」から始まっている。したがって、本件でのIR投資開発企業は、米国大統領選挙時にトランプ前大統領に大口献金を行ったSand's、Caeser's、Wynn、MGMが筆頭の米国企業だけが対象である。
当然、福岡IR進出が報じられているラスベガス創業の老舗企業Bally's Corporationは大歓迎だ。
従って、欧州オーストリアに本拠を置くカジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパンでも本件区域認定条件の枠外である。当然ながら、中国習政権とつながりの深い中国不動産ファンド企業が区域認定申請を承認されることは、日米安全保障問題の観点からも一切あり得ない。
さらに、基本中の基本であるが、本件IR事業計画と集客計画の信憑性、持続性は重要である。重ねて解説するが、長崎IRの「年間集客数673万人」は完全に絵に描いた餅である。ハウステンボスは過去、年間300万人を超える来場者を記録したのはわずか2回。これを考慮すれば、673万人はあり得ない数値なのだ。こんな集客計画を信用するマトモな投資開発企業などいない。
とくに今回の世界的なコロナ感染拡大問題で、中国人を含めたアジアからのインバウンドビジネスは多大な影響を受けた。さらに、習近平政権の中国人カジノ観光規制を含めて、これらが成り立たないことは自明の理だろう。
当該地市場の後背地人口の大小が本件IRの要である。それゆえ、当初から東京都中心の関東都市圏、大阪市中心の関西都市圏、福岡市中心の北部九州都市圏の3カ所しか採算は合わないと解説し、断言してきた。小さな地方都市の僅かな商圏人口では実現困難で、本件IRの誘致開発は、これら大都市圏しか実現の可能性はない。
また、本件IRに関する政府指導は、お金だけの問題ではない。我が国の大手企業(デベロッパーまたはゼネコンなど。大阪IRはオリックス)との企業合同体、すなわちコンソーシアム(開発運営事業母体)の組織組成とその設立が必須なのだ。さらに大阪IRと同様、前述の米国IR企業との連携が必須条件なのである。
本連載ではこれらの点を重ねて説明してきた。米中覇権争いのなか、中国包囲網、日米安全保障、日米経済安全保障など、国際情勢は多様な動きを見せている。だが、長崎IRを管轄する長崎県、佐世保市、さらに九州経済連合会などの関係者たちは、愚かにもこの状況をまったく理解しておらず、無知過ぎて話にもならない。長崎IRはすでに崩壊しているのだ。
「ギャンブル依存症の危険性」という単一の争点でIRに反対する人たちの話もまったく理屈に合っていない。オンラインでのギャンブル市場はすでに世界中でポピュラーであり、どの国でも溢れかえっている。今後、この流れは、スポーツベッティングなどとの垣根を取り払うかたちで進むだろう。一国で止めることなど不可能だ。長崎IRの賛成派も反対派も、同じレベルの無知で愚かな人たちだと断言できよう。
【青木 義彦】
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