若者が集う、魅力的な建設業界を再構築する
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一般社団法人 福岡県建設業協会 会長 岩崎 成敏 氏
(岩崎建設(株) 代表取締役)(一社)福岡県建設業協会は、その前身となる福岡建築同業組合の頃も合わせると、実に110年以上の歴史を築いてきた。一世紀を超え業界の発展に尽力し続ける同協会の会長岩崎成敏氏に、次の100年に向けての想いをうかがった。
建設業の再生・活性化を
「平成27年度の国の公共事業費は、昨年度を上回り、約6兆円が確保されました。東日本大震災以降、『国土強靭化基本法』に基づく基本計画が示され、『国土のグランドデザイン2050』が策定されるなど、示された中長期的な国土ビジョンが着実にその達成に向けて動いているなと感じます。九州地方整備局においても、『九州圏広域地方計画』が検討されるなど、公共事業予算が安定的・持続的に確保される環境が整いつつあります」。
冒頭、岩崎成敏会長は災害対策事業が業界の活性化に寄与していると語り、業界を取り巻く状況も今後好転していくだろうと、国の社会資本整備の計画的推進に期待感を寄せた。しかし決して楽観視はしていない。
「投下される資本の量ももちろん大切ですが、それが長期に渡り、計画的にどれだけのスピードで広がっていくのかが肝心です。上位ランクの業者だけが公共事業を受注し利益を得るのではいけません。下のランクの業者にまでその利益が還元されなければ、本当の意味での建設・土木業の復活とは言えないでしょう」(岩崎会長)。次世代に未来を託すために
現在、建設業協会では意見交換会の開催と提言活動の推進を積極的に行っている。話し合われる内容は地域建設業界の喫緊の課題や国・県などの政策課題などについてだ。
「業界が本当の意味で復活を果たすためにも、建設業の再生・活性化および経営改善について定期的に意見交換会を開いています。地域を支える建設業にとって、経営の健全化は最重要課題ですから。また、急速に老朽化が進む社会資本の大更新時代を迎えるにあたって、安心・安全な暮らしを確保するために、今後維持・管理分野への重点投資が見込まれます。そこで、社会資本の老朽化対策等に関する工法・知見の活用、地域建設企業の役割、施策の動向などについて情報収集・分析を行うとともに、関係機関に対し提言・要望を行い、同分野で会員企業が活躍できる環境整備に取り組んでおります」(岩崎会長)。
業界を取り囲む環境の分析を行い、地元福岡の建設・土木業者に最適なソリューションを提供し続ける建設業協会。岩崎会長はそうした献身的活動を続けるなかで、最も重要な課題として「若者の業界離れ」を挙げる。「『いつまでにつくりましょう』と言っても、人がいないとできません。職人不足はもはや看過できないまでに顕著になってきています。だからこそ協会では、現在、地域建設業の将来の担い手確保・育成対策の推進に注力しています。将来の担い手である若者に夢のある建設業を実感してもらうため、労働環境や処遇の改善を広く検討するとともに、インターンシップの取り組みについても研究を進めています。また、高齢者、女性、外国人労働者など多様な人材の活躍の機会拡大についても検討中です。さらに、『建設産業担い手確保・育成コンソーシアム』による地域連携ネットワークの構築についても検討しています。やはり一団体では限界がありますから、他の建設業団体との連携も視野に今後は動いていく必要があると思います」(岩崎会長)。
時代の変化と共に新たに生まれてくる、解決しなければならない問題。建設業協会は、それらの問題にこれからも正面から取り組み続ける。その活動の積み重ねは、必ず業界に活況を取り戻してくれるはずだ。
<COMPANY INFORMATION>
一般社団法人 福岡県建設業協会
会 長:岩崎 成敏
設 立:1907年2月(福岡建築同業組合)
所在地:福岡市博多区博多駅東3-14-18
TEL:092-477-6731
URL:http://www.fukukenkyo.org/◆建設情報サイトはこちら>>
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