2022年01月25日( 火 )
by データ・マックス

不可解な創業者の退任の裏側は?(後)

(株)ディーノシステム

 企業PRサイト『社長.tv』を制作・展開する(株)ディーノシステム。同社の創業者で代表取締役であった中島一明氏が、2015年4月29日に退任した。突然の中島前代表の退任の理由が不明瞭で、同社の取引関連を含めた関係者から「なぜ、中島氏が退任したのか?」との問い合わせが相次いだ。取材を進めるなかで、中島前代表の退任は、現代表の山田文彦氏が絡んでいる可能性が高いという話が、複数の関係者から入ってきた。同社の中島前代表の不可解な退任についてレポートする。

中島氏“解任”が事実

touki 経営者動画サイトのパイオニア的な存在であった中島氏は、15年4月29日に同社取締役を退任した。だが、法人登記簿を確認すると、取締役を解任となっている。後任には、13年11月30日に一度取締役を退任した山田文彦氏が、同じ15年4月29日に同社の新たな代表取締役に就任している。中島氏が解任に至った経緯をリサーチするために、中島氏の足取りを追ったが、その後の消息は不明。現代表の山田氏に、「なぜ中島氏は解任させられたのか」という旨の質問状を送っているが、現時点での回答はない。

 取材を進めていくなかで聞いた、同社の取引関係にある企業の幹部の話によると、「前の社長であった中島一明氏の解任は事実だ。14年8月に資本金が1億2,017万円から2億606万円に増資されている。そのときに、資金のサポートを行ったのが愛知県に本社を置く(株)イクサム。パチンコ店舗運営を中心に幅広くビジネスを展開しているという。当時、ディーノシステムは全国展開を推進するなかで、資金的にタイトな状態であったという。金融機関からの融資も限界であったと聞く。その状況を打破するために、イクサムに資金調達を打診した。イクサム側は、中島氏が保有していたディーノシステムの株式の譲渡を条件とした。本意ではなかったが、会社存続のために中島氏はその提案を受け入れて、イクサム側に株式を譲渡し、オーナーから雇われ社長となった。そのイクサムを紹介したのは、ディーノシステムのとある販売代理店で、その代理店を開拓したのが現代表の山田氏であった。山田氏は、11年11月に(株)ベンチャーリンク(12年3月破綻)から転身し、社外取締役に就任。12年8月に取締役に就任した。ディーノシステムの全国展開を推進するための販売代理店開拓の職責を担っていたが、その能力に対し懐疑的であったため、13年11月に辞任した。その山田氏を復帰させたのがイクサムで、山田氏の取締役復帰を拒否した中島氏が、大株主のイクサムから解任させられたのである」という。

 つまり、現代表の山田氏が同社の現在の大株主に接近し、中島氏を追放させて自身が代表に就任するという“乗っ取り”を行ったこととなる。
 今後の同社の事業展開については、不明瞭である。『社長.tv』に出演している経営者らは、「中島氏の代表辞任は、寝耳に水であった。大株主の権限の範ちゅうだからやむを得ないが、山田氏で経営をやっていけるのか不安である」と今後の動向を不安視する。創業者の中島氏とともに働いてきたメンバーも、ほとんど同社を去った。中島氏が築いてきた事業を、山田氏が誠実にマネジメントして発展させることができるかは、不透明である。経営者動画サイトのパイオニア企業は、今、岐路に立たされている。

(了)
【河原 清明】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:山田 文彦
所在地:福岡市博多区博多駅南1-3-6
設 立:2007年3月
資本金:2億606万円
売上高:(14/11)4億2,771万円
TEL:092-409-4845

 
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