2021年12月07日( 火 )
by データ・マックス

再開発プロジェクト「天神ビッグバン」とは(中)

天神再開発を牽引する西鉄・福岡地所の開発計画

明治通り<

明治通り

 2015年3月期にソラリアプラザビルの大規模改修工事を行った西鉄は、同期の有価証券報告書のなかで「天神地区の商業施設において、リニューアルを実施し、天神地区のプレゼンス向上を図るとともに収益力の強化に努めてまいります。また、オフィスビル共用部の美化工事を行い、施設の魅力を向上させるなど、競争力の強化を計ってまいります。そのほか、天神明治通り地区再開発の取り組みに参画してまいります」と述べ、同社の所有する「福ビル」など天神地区のビルについての建替えに言及。MDCの運営を牽引してきた同社だけに、76年竣工と老朽化が進む「天神コアビル」の建て替えにも期待が高まる。
 さらに西鉄は、今年6月下旬には天神と中洲を結ぶ「水上公園」の整備・管理運営事業にも参画することが選考により決定。所有者である福岡市と連携し、天神地区再開発とも連動した公園整備となることが予想される。10月には着工され、来年6月の完成・利用開始を目指す。

 福岡地所は「天神セントラルプレイス(旧・福岡三和ビル)」の建て替えによる「天神ビジネスセンター(仮称)」の開発に着手した。同社が所有する施設の6割は商業ビルと言われるが、商業ビルに比べて景気の影響を受けにくいオフィスビル事業強化策の一環で、すでに解体工事が終わり、隣り合う2棟のビルとともに大規模オフィスビルへ建替えられる計画だ。「天神ビジネスセンター(仮称)」は19年頃の開業が予定され、先行して解体された天神セントラルプレイスは、残り2棟の解体が完了するまでコインパーキングとして活用される。

注目増す「博多エリア」でも規制緩和、開発促進へ

天神セントラルプレイス 跡地<

天神セントラルプレイス 跡地

 「高さ制限の緩和」は、内閣府地域活性化推進室長による「国家戦略特区における航空法の高さ制限のエリア単位での特例承認について」という書面によれば、緩和する高さの目安として市役所避雷針とある。避雷針の高さは76m。従来の制限から10m程度緩和されることとなる。さらに、<今後、福岡市内の別のエリアについて相談があった場合も、同様に取り扱うものとする>という文が注釈付きで記載されている。これは、同避雷針を目安とするのは【図1】の範囲に限られるが、市内の他エリアでも個別のビルごとではなく、エリア単位で緩和される可能性が高いことが示されたものだ。

 今年5月に着工された「新博多ビル(仮称)」は、容積率緩和(800%→約1,140%)の適用だけでなく、個別で高さ制限の緩和も受け、従来の制限より9m高い59mが想定される。さらに、着々と建築工事が進められている「博多駅中央街SW計画(仮称)」には、東京都内の繁華街や大阪・京都・神戸などで店舗展開するマルイグループが九州初進出する。
 博多駅直結で日本郵便グループ初の全館商業施設となる同ビルは、11年に開業したJR博多シティは依然として大きな集客力を誇っており、新ビルとともに博多エリアを牽引していく施設となるだろう。さらに、旧・博多ビルの建て替えも進行中で、オフィス・商業複合ビルとなる予定だ。募集賃料も周辺と比較して強気の設定で、「活性化する博多駅前地区」を象徴するエリアとなりそうだ。

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(つづく)
【永上 隼人】

 
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