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2015年11月02日 07:02

ゆうちょ銀行誕生~九州の金融業界再編を検証する(7)

(4)地方銀行(第一地銀・第二地銀) (その1)
 九州には第一地銀11行、第二地銀7行がある。【表1】を見て頂きたい。各銀行の個別決算から個人預金残高を抜き出し、ゆうちょ銀行の貯金残高と比較した表である。

この表から見えるもの

◆九州地銀の個人預金の総額は27兆7,535億円に対しゆうちょ銀行は15兆8,294億円。そのシェアは36.3%と高い。県単位で見ると最も高いのは大分県の42.1%。次に鹿児島県の40.6%、39.8%の佐賀県が続く。この表から個人のメインバンクはゆうちょ銀行と言うことになるのかもしれない。
◆福岡県における地銀の個人預金の総額は12兆3,579億円。それに対してゆうちょ銀行は6兆1,082億円。その比率は33.1%と九州6県の中では一番低いシェアになっている。
 しかしよく見ると福岡銀行の個人預金残高は6兆2,137億円で、ゆうちょ銀行をわずか1,055億円上回っているに過ぎない。
・西日本シティ銀行の個人預金は4兆8,633億円で、ゆうちょ銀に1兆2,449億円の差をつけられている。福岡銀行、西日本シティ銀行などの預金には、福岡県以外の個人預金も含まれており、ゆうちょ銀行のシェアは更に高いと見られる。
◆長崎県の場合、ゆうちょ銀行は1兆7,627億円。十八銀行の個人預金は1兆6,456億円で、親和銀行は1兆3,203億円。第一地銀でこの二行だけだがゆうちょ銀行より残高が少なく、第二地銀7行はすべてゆうちょ銀行に大きく差をつけられているのがわかる。

ゆうちょ銀行の民営化の影響について

◆ゆうちょ銀行の民営化にともない、貯金限度額が1,000万円から2,000万円に引き上げられると、九州で一番盤石と見られている福岡銀行だけでなく、他の地銀も大きな影響を受けることになる。
 そのなかでも基盤の弱い第二地銀が恐れているのは、「個人預金が雪崩を打ってゆうちょ銀行へシフト」することだと言う。そうなれば経営の根幹を揺るがしかねない最悪の事態になるからだ。 
◆実際預金者にとっても、預金金利はゼロコンマの世界で小遣い銭にもならないほど。銀行も貸出金の利鞘が薄く儲からないため、今は手数料収入が大きい投資信託などの販売に力を入れており、預金集めは本気でないと言われる。
 その間隙をついてゆうちょ銀行が本気で貯金集めに走れば、一気に逆転する可能性は高いと見られている。地方銀行は今こそ個人顧客を大切にしておかないと、後で大きなしっぺ返しを受けることになりそうだ。

(つづく)
【北山 譲】

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