立憲・野田国義議員、参院選に臨む熱量はいかに

 夏の参院選が迫るなか、11日、福岡市中央区内で3選を目指す立憲民主党の野田国義参議院議員の事務所開きが開催された。事務所開きには元外務大臣で党常任顧問の岡田克也氏が応援に駆け付け、支援団体、県連関係者、支援者らが集まった。今回の参院選は福岡県選挙区から野田氏を含む10人が立候補を予定しており、野田氏にとっては正念場の戦いとなる。

 昨年10月の衆議院選挙で与党が過半数を割ったにもかかわらず、議席数を50増やした野党第1党の立憲の支持が伸び悩んでいる。各種世論調査では同じ旧民主党に由来する国民民主党の支持が立憲を上回っている。

    先月25日に国民の玉木雄一郎代表が来福し、博多駅前で同党の立候補予定者・川元健一氏の応援演説を行った。演説には20代から40代の現役世代を中心に200人以上の支持者が集まった。演説会後、玉木氏に「思いを伝えたい」人や、握手を求める人の行列が駅前広場の中央付近までできていた。

 一方、野田氏の演説会も事務所開き後、夕方から同じ場所で行われたが、参加者も数十人と日曜日にもかかわらず一般聴衆の反応はいま1つだったようだ。

 両党の支持団体の連合福岡は野田氏と川元氏をそれぞれ推薦しており、「福岡県選挙区で2議席獲得を目指す」(連合福岡関係者)と意気込むが、自民・公明の壁は厚い。

 国民の支持が福岡でも急速に高まっている。2016年の参院選より福岡県選挙区は改選定数3となった。これまで「プラチナチケット」と呼ばれ、立憲の指定席となっていたが、今回はそうはいかないようだ。

 それもあってか、選挙戦に対する野田氏の「力の入れ方が弱いのでは」とする見方がある。開設した福岡選挙事務所は中央区赤坂にあるが、専用駐車場はない。車で来所する場合、周辺のコインパーキングに停めることになる。近くに市営地下鉄の赤坂駅はあるが、遠方から来訪する人にとっては乗り換えも生じるため利便性に欠ける。なお北九州市の事務所は、選対本部長を務める城井崇県連代表の事務所に置かれている。

 以前、常設の福岡事務所は、博多駅近くや県庁近くに置かれていたが、ここ数年は、地元八女の事務所のみとなっていた。形勢を挽回するには、県下隅々まで浸透を図る必要があるが、事務所をみても選挙資金を惜しんでいるようにみえる。

 野田氏の3選立候補には、当初、各総支部や県連役員のなかからも異論があった。参院選に出る以上、応援する立憲福岡県連の役員・支持団体はもちろん、同党に期待を寄せる一般市民の支持者が「心から応援しよう」と思える体制構築が求められると思うのだが、いかがだろうか。

【近藤将勝】

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