入管庁、「不法滞在者ゼロプラン」公表 難民審査迅速化と送還強化で目標達成へ
2025年5月26日 14:00
出入国在留管理庁は23日、退去強制命令を受けた外国人の早期帰国を柱とする新たな計画「不法滞在者ゼロプラン」を発表した。ルールを守らない外国人により国民の安全・安心が脅かされているとの認識を示し、2030年末までに日本国内の不法滞在者をゼロに近づけ、外国人と安心して暮らせる共生社会を実現するとしている。
同プランでは、難民認定審査の迅速化や強制送還の強化など、複数の具体的な数値目標が掲げられた。難民認定申請の審査期間を現状の平均約22カ月から、26年中には新規申請分の平均6カ月以内、30年までには全体で6カ月以内に短縮することを目指す。AIなどデジタル技術の活用による審査の迅速化を図るとしているほか、申請の乱用・誤用を防ぐため、難民条約に該当しないケースを類型化し、在留制限を強化する。
退去強制命令が確定しても日本にとどまる「送還忌避者」は24年末時点で約3,000人に上るが、これを30年末までに半減させるほか、入管職員による護送付きの強制送還も3年後に倍増させる計画だ。
入国時の対策としては、来日外国人の増加を踏まえて、電子渡航認証制度「JESTA(ジェスタ)」の導入を、当初予定の30年度から28年度に前倒しするとした。米国のESTAを参考にしたもので、短期滞在ビザの免除対象国・地域(24年12月時点で71国・地域)の外国人に対して、渡航前にオンラインでの申請を求め、審査を行う。韓国など電子渡航認証(ETA)を求める国は増えてきている。ほか、退去強制が確定した外国人が多い国に対して、防止のための働き掛けを行う。
【茅野雅弘】
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