兵庫県知事再々選が不可避な情勢

 NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「兵庫県民は、再度県知事選挙を行う正当性、必要性を強く認識するべきである」と指摘する6月7日付の記事を紹介する。

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 「天網恢恢疎にして失わず」=「悪は一時期栄えるように見えても、それは一時のことで、いつか必ず報いを受ける」。兵庫県の斎藤元彦氏のXデーが近づいている。

 昨年11月17日の兵庫県知事選挙で斎藤元彦氏が勝利したが選挙の公正性、正統性に問題があった。私は選挙翌日の11月18日にブログ、メルマガで論評した。

ブログ記事「新時代情報戦争と兵庫知事選」
https://x.gd/Fhvd3
メルマガ記事「兵庫県知事選と25年政治刷新」
https://foomii.com/00050

 「インターネットメディアを活用して、人々の納得や共感を獲得できれば、大きな成果を上げることができる。問題は流布される情報が必ず真理とは限らないこと。事実に反する情報であっても、情報の受け手が納得し、真実だと信じ込めば投票結果などに影響を与えることができる。

 兵庫県知事選では、斎藤前知事が亡くなった県民局長の内部通報に対して取った行動が適切であったのかどうかが最重要の評価対象だったが、県民局長のプライバシーに関する情報が拡散されて有権者の行動が誘導された側面が強いと見られる。

 「目的のためには手段を問わない」とのスタンスで選挙戦が展開されたとすれば、県民局長が使用していたPCに保存された情報の管理が適切であったのかどうかに関する評価がなされる必要がある。この意味で、選挙が公正な状況で執行されたのかどうかについての検証が必要になる。」

 斎藤知事は公益通報である〈外部通報〉に対して〈犯人捜し〉を指示し、片山安孝副知事をはじめとする県職員が西播磨県民局長の公用PCを押収。県はこのPC内の県民局長のプライバシー情報を入手して外部に漏洩した。

 元県民局長はプライバシー情報を暴露するとの脅迫を受けて自死に至った。プライバシー情報の外部漏洩は犯罪行為だと見られている。実行したのは井ノ本知明元総務部長だが、プライバシー情報の外部漏洩は斎藤知事の指示に基づく行為だったと供述していると伝えられている。井ノ本元総務部長だけでなく、片山安孝元副知事、小橋浩一元担当理事がプライバシー情報の外部漏洩は斎藤知事による指示であったと供述していると伝えられている。

 プライバシー情報の外部漏洩は犯罪である疑いが強く、井ノ本元総務部長のプライバシー情報外部漏洩についての刑事告発もなされている。斎藤知事が指示したのであれば斎藤氏の刑事責任が問われる必要が生じる。

 問題の調査を行った第三者委員会は斎藤知事による指示に基づいて外部漏洩がなされた可能性が高いと判断した。斎藤知事は「指示していない」と供述しているが、斎藤氏を含む事実を知る4人のうちの3名が斎藤知事の指示があったとしているため、斎藤知事の主張の信ぴょう性は著しく低い。

 斎藤知事は兵庫県が井ノ本元総務部長を刑事告発しない方針を示し、自分自身には減給処分を行い、これにて問題を終結させる姿勢を示しているが、まったく通用しない。

※続きは6月7日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「兵庫県知事再々選が不可避な情勢」で。


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植草一秀の『知られざる真実』

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〔場所〕
福岡市民ホール(小ホール)
〔プログラム詳細〕
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質疑応答 午後4時半~5時15分
出版記念パーティー(軽飲食付き) 午後5時15分~6時
〔講師〕
植草一秀氏(政治経済学者)
〔参加費〕
1万円(飲食、新刊書籍、書下ろし資料代含む)※要申込
〔お申し込み先〕
専用フォームあるいはTEL、FAXにて
専用フォーム
TEL:092-262-3388
FAX:092-262-3389
主 催:(株)データ・マックス

※当セミナーの詳細な内容は告知記事にてご確認ください。

<プロフィール>
植草一秀
(うえくさ・かずひで)
1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーヴァー研究所客員フェロー、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ(株)=TRI代表取締役。金融市場の最前線でエコノミストとして活躍後、金融論・経済政策論および政治経済学の研究に移行。現在は会員制のTRIレポート『金利・為替・株価特報』を発行し、内外政治経済金融市場分析を提示。予測精度の高さで高い評価を得ている。政治ブログおよびメルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」で多数の読者を獲得している。

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