鹿児島のパチンコ店「モリナガ」に選挙違反疑惑 社員に“投票証明で残業代”指示か
2025年7月30日 15:00
鹿児島県内のパチンコ店「モリナガ」に対し、鹿児島県警が公職選挙法違反の疑いで捜査に入ったことがわかった。
関係者によると、モリナガは自社社員に対し、7月20日に投開票が行われた参議院議員選挙において、自民党比例代表で立候補していた阿部恭久氏に投票するよう指示。さらに、その投票行為を証明する写真を会社にメールで送れば、残業代を支払うという趣旨の“見返り”を提示していたという。
阿部氏は今回の選挙で落選しているが、パチンコ業界の全国団体である「全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)」の理事長を務めており、業界内では影響力を持つ人物とされる。今回の件で、モリナガと阿部氏との間に直接的な関係があったかは不明だが、阿部氏の事務所は「モリナガという会社の存在自体を指摘されるまで知らなかった。」としており、関係を否定している。
なおモリナガは今年1月、旧運営会社の城山観光(鹿児島)から、現在の運営会社であるデルパラ(東京)に売却されている。ただし、屋号は引き続き「モリナガ」のまま使用されている。経営主体の変更後まもなく発覚した事案であり、財界関係者の間では組織体質や運営方針を問う声も出ている。
企業が従業員に対して特定候補への投票を促し、さらに報酬を条件とする行為は、公職選挙法に抵触する恐れがある。鹿児島県警は関係先の資料押収や関係者からの事情聴取を進めている。なお、今回の捜査に関してモリナガは「担当者不在で分からない」とコメントしている。
【鹿島譲二】
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