中国経済新聞 2026年3月号掲載記事にデータ・マックスで編集を行ったものです。
2026年春の採用シーズンに入り、中国のインターネット大手によるAI人材の争奪が一段と激化している。現在までにByteDance、Tencent、Meituan、Ant Groupなどが相次いで春季の新卒採用やインターン募集を発表した。初任給は年40万元(約920万円)以上を公開する企業もあり、AI関連職の割合は過去最高となり、正社員への登用機会も拡大している。
ByteDanceは、今年のインターン採用が同社史上最大規模となり、正社員への登用率が50%を超える見込みであると明らかにした。
2026年卒業予定の学生は、かつてないAIブームの中心に置かれている。ビジネスSNS「脉脉(マイマイ)」の分析によれば、2026年1~2月のAI関連求人は前年同期比で約12倍増加した。ニューエコノミー分野に占めるAI職の割合も、2025年の2.29%から26.23%へと急拡大している。脉脉に掲載された2026年以降入社の新規募集ポスト数は前年同期比で14倍に達した。
求職者側の競争も激しさを増している。人材サービスLiepinによると、2026年の仕事始めの週において「AIツールの使用経験あり」と明記した履歴書の送信数は前年比で20%以上増加した。とくにプロダクトマネージャー、グラフィックデザイン、ビジュアルデザインの分野で顕著である。
こうした状況のなか、いわゆる「大規模モデル研究者」などの定番職種だけでなく、いま企業が注目する面接対策の1つとして学生の間に経験を積むことでAI時代の不安と機会に対応しようとする動きが見られる。
AI人材の早期確保を狙い、企業の採用競争は大学にとどまらず、さらに若い世代へと広がっている。ヘッドハンターのAllenは、「AI分野は技術革新と製品開発の両面で急速に進展しており、大手企業は全体の6~7割の力をトップ人材の確保に注いでいる」と指摘する。一部のスタートアップでは、最高技術責任者(CTO)の採用対象を清華大学の博士に限定するケースもあるという。
これらの人材には、若年であること、名門大学出身であること、高い潜在能力をもつことという共通点がある。AIネイティブ世代として、従来のモデル──インターネット時代に育った人材に比べ、技術や製品への理解で優位性があるとされる。
背景には需給のひっ迫がある。2030年までに世界のAI人材不足は280万人を超えると見込まれ、中国国内の供給率は3.5対1に達している。
また、トップ人材の価値も急騰しており、大手企業ではAI分野の博士課程修了者の初任給が年200~300万元(約4,600~6,900万円)に達するのが一般的だ。
こうした中核人材への需要の高まりと、企業間の引き抜き競争も一段と激化している。企業はGoogle、OpenAIといった国内外のテック企業から人材を積極的に採用している。
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