HYUGA PRIMARY CARE、MBOで非公開化へ JGIA系がTOB

 HYUGA PRIMARY CARE(株)(福岡県春日市、黒木哲史代表)は、経営陣による買収(MBO)を実施し、株式を非公開化する方針を決めた。日本成長投資アライアンス(JGIA)が運営するファンド傘下の(株)JG44が9月28日からTOB(株式公開買付け)を実施する。買付期間は9月28日~11月10日の30営業日。TOB成立後は株式併合などを経て東証グロース市場への上場を廃止する予定だ。同社取締役会はTOBに賛同し、株主に応募を推奨している。MBO成立後も黒木代表は引き続き経営にあたる予定だ。

買い手はJGIAが設立した買収目的会社

 公開買付者のJG44は、JGIAが今回のHYUGA PRIMARY CARE株式取得を目的として設立した会社。JGIAは成長余力をもつ中堅・中小企業への成長投資やバイアウトを手がける投資会社で、資金だけでなく経営人材やネットワークを投入して投資先を支援することを特徴としており、主にITソフトウェアやヘルスケアの企業を対象に投資を行っている。HYUGA PRIMARY CAREについても、組織体制の強化や営業力向上、DX・AI活用、M&Aなどを通じて成長を後押しする方針であることを発表した。

 なお、HYUGA PRIMARY CAREの大株主には現在、黒木代表が18.27%、黒木代表の資産管理法人である(一社)Hyugaが12.12%を保有。このほか、シーユーシーが11.31%、エムスリーが9.42%、エムスリーキャリアが6.74%を保有している。黒木代表は保有株の一部をTOBに応募する一方、残りの株式とHyugaの保有株は応募しない。シーユーシー、エムスリー、エムスリーキャリアも保有株をTOBには応募せず、一連の非公開化手続きに協力するとした。

上場が「成長投資の制約」に

 同社は在宅訪問薬局「きらり薬局」を中核に、中小薬局を支援する「きらりプライム」、住宅型有料老人ホームを運営するプライマリケアホームなどを展開している。在宅患者の増加によって中長期的な市場拡大が見込まれる一方、薬価改定や人件費高騰などの影響を受けている。

 同社によると、株価も低水準で推移するなか、短期的な利益やキャッシュフローの悪化、それにともなう株価下落を避けようとすれば、店舗出店や人材獲得、新規事業などへの大規模な先行投資には制約が生じるという。同社自身も2026年5月の決算説明資料で、成長ペースに人材育成や運営効率化への投資が追いついていないとの認識を示していた。しかし、投資を進めれば費用が先行して短期的に利益成長が鈍化し資本市場の評価と一致しない可能性がある。今回のMBOの背景には、成長市場を前にしながら、上場会社として短期的な利益や株価にも配慮しなければならないというジレンマを脱する意図がある模様だ。

 25年2月ごろから非公開化を検討し、当初は別のPEファンドとも協議していたが、その後検討が延期された。最終的に、複数の投資ファンドを比較し、シナジーや資金調達力、経営への関与方針などを踏まえてJGIAを共同投資家に選定したという。

【寺村朋輝】

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