自民党が歴史的圧勝を収めた2月の衆院選で、自身を支援しなかった地元自治体の道路予算を「大幅にカットした」などと、内閣改造で就任したばかりの簗和生農相が身内の会合で発言していたことが週刊文春・新潮に報じられた。
地方の選挙では「国とのパイプ」がしばしば強調される。首長や地方議員が中央省庁へ陳情し、地元選出の国会議員が大臣や局長との面会を仲介する。これと同様に都道府県と市町村の関係においても、地元選出の県会議員が、知事や局長、部長との面会を仲介し、「地元議員が予算をとってきた」との認識が形成される。首長や地方議員にとって国や都道府県とのパイプは非常に重要なものなのだ。
福岡県議会の正副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑も、正副議長に就任した場合「我らの地元県議が県議会議長(副議長)になったばい」と選挙区地域の期待を一身に背負うことから、自民党県議団幹部の圧力に抗えず、金銭提供を行った面があるのは間違いない。正副議長への就任には、ホテルでの祝賀パーティー開催がセットとなっている。
自民だけでなく民主系も予算獲得や事業、国に提出する意見書などで、福岡県政の絶対的権力者であった蔵内勇夫氏に追従してきた。
当社では、一連の県議会をめぐる問題で交渉会派(自民や旧民主系など5会派)の県議に対して、過去の問題を含めて取材を進めているが、9月の解散前まで民主県政クラブ県議団に所属した中堅県議から、「福岡県には『議員案件』『蔵内案件』なるものがあり、蔵内氏の意向があるものには、執行部は優先的に予算をつけるようになっていた」との証言を得た。
さらに選挙で自民系の現職と対立した福岡都市圏の自治体に対し、自民会派が「〇〇市には公共事業予算がつかない」と報復的発言を行っていたことがわかった。
複数の県議が会合においてこうした発言が行われていたと証言したが、県議会と県当局の不正常な関係について、県側の職員保護条例案や議会からは政治倫理条例の提案が予定され、不適切な状態の是正に向けた取り組みが始まった。しかし、簗大臣同様の発言が福岡においても行われていたことは衝撃であり、県民不在の異常な関係は明らかにすべきである。今後も続報していく。
【近藤将勝】









