【独自】旧統一教会が公共施設利用不許可で福岡市を訴えた訴訟を取り下げていた

 来月の福岡市長選を前に8日は9月定例会最終日となり、高島宗一郎福岡市長が議会に出席する最後の日となった。

 高島市政の知られざる功績と呼ぶべき取り組みがある。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の市の公共施設利用の制限である。全国の被害者や不安を感じていた市民の声を受けた判断だったが、2024年3月、教団側と信者が「公共施設の利用不許可は差別的であり、集会や信教の自由の侵害にあたる」として、福岡市に対し計2,200万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に提起していた。

 最高裁は26年6月22日付で、旧統一教会に対する解散命令を支持し、教団側の特別抗告を棄却する決定を行ったが、教団や関係者が起こしていた複数の訴訟はその後も継続されていた。

 当社の取材で、3月4日に東京高裁が地裁の解散命令決定を支持し、教団側の抗告を棄却。同日、東京地裁が清算人を選任し清算手続きを開始した直後に、福岡の裁判の原告側代理人が辞任し、訴訟も取り下げられていたことがわかった。

福岡地方裁判所宛の原告(旧統一教会)代理人の辞任届
福岡地方裁判所宛の原告(旧統一教会)代理人の辞任届

 22年の安倍晋三元首相の銃撃事件以降、教団と政治の関係や霊感商法や高額献金問題、宗教2世をめぐる問題が明らかとなった。地方自治体でも、教団の関連団体がボランティア団体として登録され公共施設で活動を行う、行政がイベントを名義後援するなどの関係性があったことが各地で発覚した。

 福岡市に関しても、市民団体「人権問題を考える福岡の会」などの調査により、福岡市のNPO・ボランティア交流センター「あすみん」に世界平和女性連合の福岡第一連合会が登録していたことが明らかとなり、福岡市市民公益活動推進課は不安を訴える市民からの声を受け、同連合会の登録申請を認めるかどうかについて審議会に諮問するなどの動きがあった。

 市は23年6月、国が教団について見解を示すまで関連団体を含めた公共施設の利用申請を認めない(保留とする)方針を決定した。これにより、関連団体の世界平和女性連合(WFWP)が主催する女子留学生弁論大会や、警固公園でのデモ活動の申請が不許可となった。
 旧統一教会の問題を追及している全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は世界平和女性連合を旧統一教会の関連団体と認めている。

 弁連所属で長年、旧統一教会問題に取り組んできた紀藤正樹弁護士(第二東京弁護士会)は「統一教会が起こした福岡市へのスラップ訴訟も終了し、私や鈴木エイト氏への訴訟も棄却されるなど、解散命令前の統一教会の戦略はすべて瓦解した」とコメントした。

【近藤将勝】

関連記事