福岡県議会、百条委めぐり未明まで紛糾 一転、設置を可決

 福岡県議会の9月定例会は閉会日の16日、正副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑などの解明に向け、超党派の県議が提出した百条委員会の設置議案をめぐって紛糾した。委員会付託の省略を求める動議が否決され、議会運営委員会では継続審査とされたものの、本会議では一転、継続審査が否決され、百条委設置議案が賛成多数で可決された。県議会は百条委設置議案以外の議案も可決し、17日午前4時20分に閉会した。

 提出者は、「カツアゲ」告発を行った元議長の吉松源昭県議や国民民主党の大田京子県議、自民党県議団の井上正文県議ら9人。海外視察問題も百条委による調査対象とした。

 金銭授受疑惑と海外視察問題については、それぞれ日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインに基づく第三者委員会が設置され、調査が行われている。

 百条委は地方自治法100条に基づき、関係者に出頭・証言や記録の提出を求めることができる。また、正当な理由なく出頭や証言を拒んだ場合などには罰則規定もある。

 代表者会議後の午後8時半ごろ、記者は議会棟に到着。議会事務局で記者腕章を借り、顔見知りの新聞記者に促されるかたちで議会運営委員会の取材に入った。各会派の委員が百条委設置議案の取り扱いについてさまざまな意見を述べるなか、自民党県議団のベテラン、中堅の県議からは「SNSでデマが流れたらどうするのか」「兵庫県議会の事例(県幹部職員や県議の自殺)もある」といった理由を挙げ、9月議会での採決に慎重な意見が示された。また、マスコミやSNS、動画による情報発信への批判が繰り返され、報道機関による取材や情報発信のあり方を問題視する発言を行った県議もあった。

 自民県議のこうした発言に呼応するように立憲民主党系の県政PLUS県議団の田中雅臣県議が「怪文書が出回っている」と発言する一幕もあった。同会派は自民に同調し、議運委員である田中氏と吉岡玲子県議は、百条委設置議案の継続審査を求める採決で起立し、賛成した。

百条委設置議案の継続審査に賛成して起立した吉岡玲子県議(県政PLUS県議団)
百条委設置議案の継続審査に賛成して起立した吉岡玲子県議(県政PLUS県議団)

 既報の通り、午後10時半ごろ、中牟田伸二委員長(自民党県議団)の職権で百条委設置議案を継続審査とするか採決した。賛否同数となったため委員長裁決となり、中牟田委員長が継続審査とする判断を示した。

 夕刻に始まった本会議は中断を繰り返し、16日中の再開が見通せなくなったことから、会期を1日延長した。17日午前4時ごろに本会議が再開。議運で決まった継続審査について採決したところ賛成少数で否決され、百条委設置議案そのものの採決に移った。その結果、多くの自民党県議団所属県議を含む賛成多数で、百条委員会の設置議案が可決された。

 議会終了後、百条委設置議案を提出した吉松源昭県議は記者団の取材に対し、「これからの責任は大きい」「県民の声に議員1人ひとりが応えなければならない。そういう思いをもった結果と思う」と語った。

 なお、百条委員会の設置議案に反対した県議は次の通り(当社が議場で目視して確認)。

【反対】
林泰輔、新開嵩将、新開崇司、香原勝司、川端耕一、中牟田伸二、松尾統章、原口剣生、井上忠敏

【退席(棄権)】
秋田章二、松本國寛

【近藤将勝】

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