2024年04月20日( 土 )

郊外型分譲開発のノウハウを蓄積

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(株)コムエステート 代表取締役 田脇 紀文

やる気、挑戦を込めた社名変更と企業づくり

cc ガス会社のリフォーム事業から独立し、戸建住宅の建築、販売を手がけ、現在は分譲開発の企画および賃貸物件の建設、販売を主力にする(株)コムエステート。時代の変化で社業も変わってきたため、2014年11月、社名を(株)吉田マネジメントから変更し、オフィスも移転。社員のやる気を上げ、挑戦する覚悟で臨む新たな企業づくりが始まった。

 「アパート建築を10年、不動産販売を8年経験しましたが、失敗が7割で、成功は3割しかありません。ですが、失敗は経験となって蓄積され、そこから学んだことは一生忘れません。そうした経験を生かし、ようやくお客さまに提案していける状態になりました」と田脇紀文社長。

 現在、社員数は6名で、2名が現場監督として作業に従事。取締役の尾田美香さんは、1級ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、資産運用のプロとして営業を後押しする。

 ただ、建築士や宅建主任士の資格を持つからと言って、すべてがわかるわけでもない。建築と不動産の深いつながりを理解するには時間がかかるが、「高いレベルの人材を育てたいし、どこでも通用する人間になってほしい」と、組織づくりにかける思いは熱い。

 営業戦略については他社を意識せず、ライバル心もない。開発エリアは郊外を軸に、年間の契約件数20~30の事業規模を守る。個々の社員がそれぞれ受け持つ部門で、高い実績につなげる独立独歩営業態勢を貫く。

条件の悪い土地で開発ノウハウを磨く

 主力の分譲開発は、筑紫野市に隣接する筑前町30区画を販売。文字通りの郊外型で、仕込みから4年くらいをかけたことで、地域性や特徴が見えてきたという。

 経験値から生み出した開発フォーマットの要件は、「道路、上下水道のインフラが整う場所であればどこでもOK」。あとは同社の企画力でカバーする。
 幸い、自治体が定住人口を増加させる施策に注力していることから協力的で、各種申請の手続きもスムーズに進行。建築したファミリーと単身者向けのアパート3棟17戸は、わずか2カ月ですべての入居が決まったという。

 「タイプは1戸建てか、メゾネットの2、または3LDKなど。筑前町は隣の筑紫野市と比べ、坪単価はおよそ半分程度。坪数の広さが魅力で、施工の障害もない。この単価でも、会社が運営できるだけの利益はとれています」。

 同社はこのフォーマットに手応えを感じ、福岡市周辺の志免町、須恵町でも分譲開発を進める。物件は古家付きの土地が多く、家屋が大きく敷地が広いため、4区画分のスペースを販売したところ、こちらもすぐに完売するなど、売れ行きは好調だ。

 物件情報は、常に好条件のものが入るとは限らない。だから、同社は悪い条件の土地をいかによく見せるか。これをベースに戦うことで、良い情報がもたらされればとの考えで臨む。実績に裏打ちされた高いノウハウのもと、総合不動産業としての自信が生まれつつある。

※記事内容は2015年8月31日時点のもの

<COMPANY INFORMATION>
(株)コムエステート
代 表:田脇 紀文
所在地:福岡県大野城市御笠川4-11-19
    オフィスパレア御笠川Ⅵ6号
創 業:2001年12月
資本金:2,000万円
TEL:092-558-1225
URL:http://www.tochi.link/

<プロフィール>
tawaki田脇 紀文(たわき のりふみ)
1972年、福岡県糟屋郡志免町生まれ。2001年12月、プロパンガス会社のリフォーム事業から独立するかたちで建築会社を創業し、05年8月には(株)吉田マネジメントを設立。 アパート工事を手がけるなかで不動産事業にも力を注ぎ、14年11月、社名を(株)コムエステートに変更。

 

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