2023年6月6日 12:30
20世紀の哲学者ポパーは現代世界にとって極めて有用な考え方を提供した。一時は政治家の間でも人気があったと聞くが、ほんとうかどうかわからない。
2023年6月2日 15:45
パリで一度だけ、デリダの講義を聴いたことがある。エイズ、人種問題、聖書、フロイトと、さまざまな話題を関連づけて話していた。その流れは自然で無理がなかった。
2023年6月1日 16:30
日本語では自分以外の人のことを「他人」という。では「他人」の反対語は「自分」かというと、そうでもない。「身内」という。「他人」は排除の対象である。
2023年5月31日 15:30
丸山茂徳監修の地球史ビデオによると、地球はやがて滅亡する。太陽も太陽系も消失する。これが天体の運命であり、自然の摂理である。
2023年5月30日 16:00
キリスト教神学には、神の定義として「超越的にして内在的」というのがある。神は人間より偉いのだから、超越者である。
2023年5月26日 16:00
動物ドキュメンタリーが一部の人のあいだで人気があるという。そういう私もここ数年多く観ている。
2023年5月25日 16:30
フロイトというと、火山が目に浮かぶ。普段は静かなのに、時にして爆発する火山である。なぜそれが思い浮かぶかというと、フロイトの自我の説明が火山そのものだからだ。
2023年5月24日 06:00
もう40年前のことだ。メキシコから家族連れで日本に来た大学教授が、あるとき自宅に呼んでくれた。奥さんがメキシコ料理をふるまってくれるという。
2023年5月23日 17:00
「現代人は時間に追われている。」「僕には時間がない。」「私、自分の時間が欲しいの。」──こういうときの「時間」は、時刻と時刻の隙間を意味する。
2023年5月19日 06:00
現代世界に最も影響を与えている西洋の哲学者は?と問われたら、ヘーゲルと答えたい。「ヘーゲルなんて、今さら」。そう言われるのを覚悟で、である。
2023年5月18日 06:00
子どもたちが幼稚園で習う歌に「むすんでひらいて」がある。この歌の作者が18世紀の啓蒙思想家ジャン=ジャック・ルソーだ。あの社会契約論の発案者が、どうしてこんな歌をつくったのか。
2023年5月17日 06:00
ある夏のこと、小さな城をもつというフランスの老人に招かれてボルドー近郊の村へ行った。城といってもフランスでいうシャトーであって、日本語に訳せば館(やかた)である。
2023年5月16日 16:00
スピノザの名を初めて知ったのは大学生の時だ。ある授業で末木という先生が熱心にスピノザの話をしていた。授業が終わって隣に座っていた女子に「スピノザどう思う?」と聞くと、「まるで原始人」とポツリと言った。
2023年5月15日 16:40
デカルトといえば17世紀の人、近代哲学の祖とされる。有名な彼の言葉「我思う、ゆえに我あり」は、人間は考えないうちは自分が存在しているかはっきりわからないから、考えなければ自分が存在しているとはいえないという意味に解釈できる。
2023年5月12日 14:00
学生のころ、中村元の『インド人の思惟方法』を読んだことがある。その本のなかで今でも忘れられないのは、「インド人にとって実在するのは観念であって、現象ではない」という言葉だ。
2023年5月11日 14:00
かつての日本では、アランという人のエッセーが読まれていた。体系的な本は書かず、簡潔にして味わい深い文章を書く市民哲学者ということになっていた。
2023年5月10日 14:30
ピタゴラスの定理というのを学校で習った。直角三角形がどうのこうのという定理である。よくもそんなことを考えたものと思うのだが、古代ギリシャには円周率πを計算した人もいる。
2023年5月9日 16:30
古代ギリシャのホメロスの語った冒険物語は現代にまで受け継がれている。そのうちの1つ「オディッセー」は西洋文学の原点ともいわれる。
2023年5月8日 14:10
西洋哲学の父といえばソクラテスと思う人も多いだろう。いや、プラトンから西洋哲学が始まるのだという人もいる。しかし、後々まで西洋人の常識として居すわったのはパルメニデスである。
2023年5月4日 06:00
カズオ・イシグロといえば長崎生まれのノーベル賞作家。5歳のときに両親とともにイギリスに渡り、そのまま彼の地にとどまって国籍もイギリスとなった。だから、日本人とはいえない。