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2016年04月07日 13:15

梅でもさくらでも共産生活排除なら花は咲かない 植草一秀氏ブログ「知られざる真実」 

 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、7月10日を投開票日とする衆参ダブル選の可能性と野党共闘における共産党参加の重要性などについて書かれた4月6日付の記事を紹介する。

 安倍首相は衆参ダブル選の風を自ら巻き起こしてきた。参院選の投開票日を7月10日に設定する可能性が高いことを踏まえて、7月10日に衆参ダブル選を実施できるように通常国会の日程を設定した。

 通常国会は1月4日に召集され、6月1日に会期末を迎える。この6月1日に衆院を解散する場合、日本国憲法の規定により、総選挙を40日以内に実施しなければならない。その40日目が7月10日である。つまり、6月1日の通常国会会期末に衆院を解散すると、7月10日を投開票日とする衆参ダブル選が実施されることになる。安倍首相は、衆参ダブル選を実施することを決めているわけではないと思われるが、衆参ダブル選を実施できる条件は整えているということになる。

 2012年12月に発足した第2次安倍政権は3年を超える長期政権になった。長期政権になっている最大の背景を三つ挙げることができる。第一は、2013年7月の参院選で衆参ねじれを解消したことだ。衆参ねじれ解消を推進したのは日本のマスメディアである。政権与党が参院で少数政党である場合、閣僚はいつでも問責決議を可決される状況に陥る。これが政権を短命化させる主因になる。米官業政電の利権複合体の一角を占める電=電波産業=マスメディアは利権複合体による支配を強化するために、安倍政権与党による衆参両院支配を全面的に推進したのである。

 安倍政権の長期化を支えた第二の要因として指摘できるのは株価の上昇だ。2012年11月に8,600円だった日経平均株価は2015年6月に20,800円にまで上昇した。円安=株高の進行が安倍政権の経済政策=アベノミクスを喧伝する格好の環境を形成したのである。安倍首相はこの流れを維持して2016年の政局に臨み、衆参ダブル選を効果的に演出して、さらに政権長期化を狙う姿勢を示している。

 5月には伊勢志摩サミットも予定されている。外交、経済政策で得点を稼ぎ、国政選挙に勝利して、さらに暴走を加速させる目論見を有していると見られるのだ。しかし、この目論見とは裏腹に、現実の推移は「事態の逆流」の気配を示し始めている。政権を支えてきた最大の背景である「円安=株高」の基本環境に重大な変化が観察されている。2012年11月から2015年6月までは、金融変動の基本図式が、円安=株高であったが、これが、2015年6月以降は、円高=株安に転換しているのだ。

 そして、第三の要因として指摘できるのが、野党陣営の結束のなさだった。2014年12月の総選挙での安倍自民党の得票は主権者全体の17.4%に過ぎなかった(比例代表選挙)。主権者全体では6人に1人しか安倍自民党に投票していない。公明党を合わせても得票率は24.7%だった。主権者の4人に1人しか安倍政権与党に投票していないのだ。2009年8月総選挙で鳩山由紀夫民主党の得票率は29.1%だった。この時の鳩山民主党の約半分の支持しか安倍自民党は得ていない。それにもかかわらず、安倍政権与党が衆参両院を支配してしまっている最大の要因は、安倍政権対峙勢力が結束していないことにある。

 現在の選挙制度では、野党陣営が結束しないと、自公陣営が圧倒的に有利になる。野党の結束のなさが、安倍政権与党の暴走を招く最大の要因になっているのだ。この点を踏まえると、非自公陣営で、安倍政権に対峙する勢力が結束することが何よりも重要になる。2016年の国政選挙では、この点が最重要の焦点になる。そして、今年の政局を左右する最重要のイベントが4月24日に実施される。北海道5区、京都3区の衆院補選である。

 結論を言えば、共産党を含む野党共闘を成立させることが最大の焦点だ。野党共闘のカギを握るのは共産党の参画である。共産党を含む野党共闘が形成され、安倍自公と対峙する図式が形成される場合、完全な互角の勝負になる。これに対する警戒を最大限に強めているのがいまの安倍政権の動きだ。「さくらの木」なる新たな野党共闘の提案が浮上してきているが、この野党共闘が共産党を含まないものであるなら、この構想に爆発力は生まれない。

 逆に考えれば、共産党を含む野党共闘成立を阻止するために、安倍首相官邸が裏から手をまわして、共産党抜きの野党共闘構想を浮上させ、野党陣営の足並みを乱れさせることが目論まれている可能性もある。「安倍政治を許さない!」主権者の想いを現実のものにするためには、共産党を含む野党共闘体制を構築することが最重要のポイントになる。

 野党共闘成立を妨害しようとするさまざまな動きを排除して、共産党を含む野党共闘を成立させ、安倍政権与党を退潮させること。これがいま何よりも求められている政治の対応である。

※続きは4月6日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1403号「安倍首相官邸が裏で糸引く共産排除野党共闘構想」で。


・植草一秀の『知られざる真実』

 
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