2024年04月30日( 火 )

2016年伸びた企業 2017年注目企業~(株)ニシケン

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シナジー効果で新しいステージへ

kensetu6min ニシケンは1960年11月、西日本建設資材(株)として、地場の建設会社や工務店の共同出資により設立された建設機械・資材のレンタル会社だ。建設業界にレンタルの概念がまだなかった時代に、日本で最初に設立された草分け的なレンタル会社として知られている。

 建設機械・資材やコンクリートポンプ車を主力商品として地元の久留米地区を代表する企業に成長した同社だったが、建設業界の不振を受け、新たな領域の事業化にも取り組んできた。とくに99年に他社に先駆けて立ち上げた福祉事業部は、社会的な介護・福祉分野の需要の高まりから大きな伸びを見せ、現在では同社の主力事業の1つにまで成長している。

 かつて建設機械・資材のレンタル会社が乱立していた時代があったが、多くの企業が建設不況の波に飲み込まれ、倒産、廃業の憂き目にあった。そのなかで事業領域をシフトしながら生き残り、独立系のレンタル会社として存在感を示してきたのがニシケンだった。そのニシケンが広域系レンタル業者である(株)カナモトのグループ入りを決めたのが2016年1月のことだ。

 カナモトは1964年10月、北海道の室蘭市で(株)金本商店として設立されたのが始まりである。72年には現在の(株)カナモトに商号を変更。北海道を地盤とする建機レンタル会社として業績を伸ばした同社は、91年には札幌証券取引所に上場を果たした。96年には東証2部、98年には東証1部に昇格を果たした同社は、北海道・東北地区を主力とする建機レンタル大手として知られるようになる。

 大手による地場レンタル会社のグループ化は、業界全体の大きな潮流となっているが、そのなかでニシケンとカナモトは新しい流れを生み出そうとしている。九州で知名度の乏しかったカナモトにとってニシケンがグループ企業として果たす役割は大きい。同時にニシケンが培ってきた介護・福祉分野のノウハウをカナモトが活用しだせば、同分野を手掛ける同業他社には脅威となるだろう。
 ニシケンはカナモトとのシナジー効果で、さらに業績を伸ばし、グループ入りが正しかったことを証明するだろう。

【緒方 克美】

<COMPANY INFORMATION>
(株)ニシケン
代 表:長崎 学
所在地:福岡県久留米市宮ノ陣町若松1-9
設 立:1960年11月
資本金:10億4,903万円
売上高:(15/12)171億9,821万円

 

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