九州古代史を思う~「倭奴国」から「日本国」へ(2)
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「旧唐書」による「倭国伝」と「日本国伝」
古代の日本について、中国の正史二十四史の内、「後漢書」から「随書」までは「倭国」の国名だけが出てきますが、その後の時代の「旧唐書」では、東夷の条に「高麗・百済・新羅・倭国・日本」と5つの国の名前が出てきます。「倭国」と「日本国」の2つの別々の国名が記載されているのです。
倭国については、後漢の光武帝が金印を授けたことから7世紀の白村江の戦いまでの出来事、北部九州・筑紫を中心としたことや阿蘇山などが記されています。
一方、日本国については、倭国から別れ、もとは小国だったけれど、倭国を併合した別種なりと記されています。
記述には「703年、唐の則天武后の時、日本国として謁見する」とあり、これより日本国としての歴史が始まるのです。
「旧唐書」に記述されているように、これはあくまでも現代につながっている日本の始まりであり、「日本」という国の前に、れっきとした「倭奴国」が存在したというのが私の持論です。この空白時代のことが、はっきりと中国の歴史史記に記載されていることを、どうして教育の場で公にしないのでしょうか。
古代日本国としての空白時代の年表は、九州王朝の歴史から始まり、日本国と称する近畿王国が生まれ、そして現代へと流れる構造とみるのが一番自然であると思います。(つづく)
【古代九州史家 黒木 善弘】関連記事
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