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2017年08月31日 11:43

変化する長崎で奮闘する創業三代目~宅島建設・宅島寿孝社長

 地域密着の姿勢を貫き、長崎県南部を中心に公共・民間工事で幅広い実績を誇る宅島建設(株)。同社の現代表・宅島寿孝氏は2011年7月に代表就任した創業三代目。長崎経済において圧倒的な存在感を放つ先代が築き上げた事業基盤を引き継ぎ、新たなるステージへと歩みを進めている。

2017年5月期は増収増益

 宅島建設は17年5月期、売上高37億631万円(前期比6.5%増)、当期純利益2億258万円(前期比35.2%増)の増収増益となった。(有)富永畜肉(長崎県雲仙市)から受注した「平成28年度(有)富永畜肉牛舎新築工事(肥育舎)」(3億7,284万円)、東栄不動産(株)(長崎市)から受注した「ビバシティ喜々津駅前新築工事」(2億7,259万円)などの建築工事のほか、国や県が発注する公共工事の受注を重ねた。同期においては、減価償却費5,808万円の計上で販管費が膨らみ、営業利益、経常利益ともに減益となっているが、投資有価証券売却益1億2,916万円を特別利益に計上したことで最終利益は増益となった。

 財務面の指標では、有利子負債比率98.6%(前期比51.3ポイント減)、自己資本比率34.4%(同3.7ポイント増)。有利子負債が長短合わせて約6億5,500万円減少しており、好調な受注状況を背景に経営基盤の安定化に努めている印象を受ける。

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設立70周年へ向けた組織再編へ

宅島建設(株) 本社

 宅島建設は、創業者・宅島満壽美氏が1946年10月に創業した宅島塩業がはじまり。同社は、51年3月に宅島塩業(有)として法人改組。70年1月に株式改組し、現商号となった。寿孝氏の父・壽雄氏(二代目)のもと、事業を拡大し、雲仙・島原地区トップの地場ゼネコンに成長した。

 壽雄氏は、87年5月に、故郷・小浜町の商工会会長に就任して以来30年間、商工会活動に取り組み、2006年4月から雲仙市商工会会長、09年5月から長崎県商工会連合会会長を務めている。16年5月、その功労・功績が評価され、旭日小綬章を受章。天皇陛下より拝謁を賜った。経営者としては、長崎オランダ村、ハウステンボス、小浜マリン、島原鉄道、みずなし本陣、トリアスなどの運営に参画。地域経済全体の活性化に尽力する長崎経済界の重鎮である。

 壽雄氏の二男である寿孝氏は、11年7月に39歳で宅島建設の代表取締役に就任。寿孝氏の実兄・寿一氏は、同年4月の長崎県議会議員選挙(雲仙市選挙区)で初当選し、現在2期目。寿孝氏に宅島建設を託した壽雄氏は、14年8月、港湾土木の老舗企業である大石建設(株)の代表取締役に就任。長崎県北部および離島を大石建設、長崎県南部を宅島建設と大まかにわけ、それぞれ40億円弱の売上高を上げている。

 寿孝氏は、2021年に迎える設立70周年に向けて、ホールディングス化も含め、グループの再編を検討している。再編を検討する背景には、地場企業として地元の経済・雇用に貢献しなければならないという同社の基本姿勢がある。同社では地元採用を徹底し、毎年2〜3人、島原半島出身者を採用。建設業界全体で高齢化が懸念されるなか、平均年齢42~43歳を維持している。

 しかし、現在の人員体制では年商40億円が限界と寿孝氏は分析する。大口の受注が相次ぎ、18年5月期には40億円の売上高を見込んでいるが、地元採用を守るためには、急激な人員拡大という選択肢はなく、現体制でやり繰りするしかない。グループ再編の目的は、営業エリアの重複をなくし、組織の営業および作業の効率を上げることにある。現在、グループは、宅島建設、大石建設のほか、雲仙観光(株)(観光バス・旅行業)、(株)クリーン雲仙(産廃処理)、大起建設(株)(土木・舗装)、(株)プラス建販(建材総合卸)、(株)ランドトラスト(不動産業)で構成。グループ全体のポテンシャルを発揮すれば、総合建設業を主軸とした企業グループで“長崎トップクラス”の規模になるはずだ。

 創業三代目として繁栄の土台を築けるか、寿孝氏の手腕が注目される。

【山下 康太】

<COMPANY INFORMATION>
宅島建設(株)
代 表:宅島 寿孝
所在地:長崎県雲仙市小浜町南本町7-22
設 立:1951年3月
資本金:9,000万円
売上高:(17/5)37億631万円

 
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