2024年04月27日( 土 )

ソフトEXの支払遅延はいつまで?しらじらしい言い訳の数々

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レンタル用空気清浄機の出資トラブル

ソフトEXの空気清浄機

 空気清浄機のレンタル事業への出資を募り、今年1月から出資者に対する「協力金」や解約金の支払遅延を続けている(株)Soft-EX(ソフト・イーエックス)。出資者には若年世代が少なくなく、なかには、同社社員の勧めで金融機関から高金利で100万円以上を借金し、出資に回したケースもあった。こうした営業実態からも、真っ当な企業であるとはとても言い難いのであるが、取材のなかで判明した支払遅延をめぐる一連の対応も、あきれ返ってしまう内容だ。

 出資者から寄せられた情報によると、同社は8月25日、出資者に対して「9月20日(水)までにオーナー(出資者)の皆様には一部でもお支払いできるようにと考えております」とのメールを送信。同メールでは、支払い遅延の理由を、(1)『昨年11月から始まったとする風評被害や営業妨害などによる売上低下にともなうキャッシュフローの悪化』としていた。だが、これまでに送られてきた、過去の同社メールをたどると、その“言い訳”が刻々と変化していることがわかる。

 なお、同社は、1台2万円の空気清浄機を販売し、その購入者(出資者)から業務委託を受けるかたちで、販売した空気清浄機をレンタル。空気清浄機で使用する詰め替えボトルの代金の一部を購入者に「協力金」として分配する仕組みで購入(出資)を勧誘。販売台数にレンタル事業の設置台数が追いつかない場合でも購入者に毎月の支払いが発生する仕組みであることから、「配当金」ではなく「協力金」という言葉を使っていたものと思われる。

「今一度」の“最後のお願い”

 昨年11月に、同社の空気清浄機を約90台購入したAさんは、11月分の「協力金」の支払い(12月支払い予定)を今年1月7日に受け取ったが、12月分以降はストップ。最初の“お詫びメール”を1月27日に受信。そこには、(2)『多くの宣伝広告費や代理店にかかる費用、工場への設備に運営費用を投じたため、一時的にキャッシュフローが芳しくない状況になった』および③『原材料の高騰』を理由としていた。

 次の“お詫びメール”は2月17日。今度は、協力金の支払遅延で、一部の出資者から解約の申し出があることが影響し、「支払いサイクルを変更せざるを得ない状況」とした。同社は、業務委託で、出資者が解約した場合、購入した空気清浄機について、減価償却費を除いた金額で下取りするとしている(解約金)。

 3月4日の“お詫びメール”は、とくに遅延理由の記載はなく、協力金の入金予定額の30%を3月6~10日にかけて順次入金予定(Aさんは入金ナシ)。3月29日のメールでも遅延理由なしで1月分を4月に2回に分割して支払い、2月分を5月8日に支払うとしていたが、その後も、遅延理由の説明はなく、慌ただしく支払いを延期するメールが届いた。

 4月7日、1月分を3分割に変更。4月17日、1月分の支払いを4月28日に変更。4月26日、1月分の支払いを5月8日に変更。5月6日、1月分の支払いを5月22日もしくは23日に変更。2月分は「決まり次第ご連絡」。5月12日、1月分の支払いを「5月31日を目安に」。

 5月30日のお詫びメールでは、協力金の支払いを6月末まで延期とし、遅延理由をインターネット上の風評による売上低迷とした。支払遅延はさらに続く。6月28日、6月30日の支払を7月11日に延期。7月9日、7月11日の支払を「7月31日までには調整」と通知。7月25日、解約金の支払については10月中。7月27日、7月31日に支払うとしていた「協力金」を8月末予定に変更。そして8月25日のメールで「今一度最後のご協力」とし、9月20日までに「一部でも支払う」としている。

 いつの間にか、支払遅延の理由が、昨年11月からのネット上の風評(1)になっているが、最初の遅延理由(2)、(3)は、『身から出た錆』といえる同社の無計画性。さらに支払に関して、何度も理由のない有言不実行を繰り返してきたことへの不信感から悪評が広まり、解約が増えていると推察する。支払遅延が始まってから8カ月近くが経った。出資者は全国で2,500~3,000人はいるとされ、空気清浄機に「出資」された金額は数十億円規模。トラブルがさらに拡大する可能性は高い。はたして、「最後のご協力」が何回繰り返されるのか、同社の今後の動向に注目したい。

【山下 康太】

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