2024年05月07日( 火 )

神話の舞台・出雲

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 旧暦10月は一般に「神無月」といわれるが、唯一、全国から八百万(やおよろず)の神々が集まる出雲では「神在月」といわれている。始まりは平安時代末、出雲大社の祭神・大国主大神が天照大神に「国譲り」をした際に「隠退して幽(かく)れたる神事を治める」とした。これが、目には見えない縁を結ぶことであり、全国から神々を迎えて会議をするという信仰が生まれた。壮大な境内は神話の舞台にふさわしく、厳かで圧倒される(写真左上は神楽殿)。今年は2017年11月27日(旧暦10月10日)に出雲大社にて神迎神事・神迎祭が行われる。

 出雲大社の西方1kmにある稲佐の浜(写真左下、9月29日夕刻の静かなサンセット)。ここもまた国譲り国引きの神話の舞台といわれ、出雲大社に集まる全国の神々がこの浜から出雲へ上陸すると伝えられる。

 毎年、出雲大社の周辺を舞台として「出雲駅伝(出雲全日本大学選抜駅伝競走)」が行われる。大学駅伝シーズンの幕開け、今年は10月9日第29回大会となる。前回三大駅伝三冠の青山学院大学のほか、21チームがエントリーされている。出雲大社をスタート地点とし、メインストリート神門通りを駆け抜け、日本一の大鳥居(写真右)をくぐり抜け、総延長45.1kmを走る。今年はどんなドラマが繰り広げられるだろうか。沿道は声援を送る応援団や観客で埋めつくされるだろう。秋の出雲に、賑わいが満ちる。

【松本 悠子】

 

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