• このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年10月27日 07:01

【2017衆院選・福岡】浪人生活5年間 稲富修二、斯く戦えり(前) 第48回衆院選(2017) 

 自民党が「日本最大の激戦区」と位置づけて総力戦で挑んだ福岡2区。自民候補・鬼木誠氏を脅かしたのは希望の党の元職・稲富修二氏。稲富氏は、5年間の浪人生活のなかで「稲富党」ともいえる支持層を広げていき、大接戦の末に議席を獲得した。所属政党の支持が急落するという逆風のなか、どのように戦ってきたのか。稲富氏と、稲富氏の活動を支えてきたその妻・由紀子夫人の談話などをもとに振り返る。

1票の尊さを学ぶ

稲富 修二 氏

稲富 修二 氏

 「風というより嵐が後押ししていた。今思えば、誰でも当選する選挙だった」。2009年7月、自民党から民主党への政権交代が実現した衆院選について稲富氏はそう振り返る。この選挙で稲富氏が獲得した票は15万票。しかし、逆風に晒された民主党が政権を失った12年12月の衆院選では、稲富氏は前回の半分にも満たない6万8,000票で落選。リベンジを期した14年12月の衆院選では、8万3,000票まで増やすも比例復活当選まで70票足りずに落選した。「70票。わかっていれば、集められる数。何が足りなかったか、なかなか整理がつかきませんでしたが、改めて1票の大切さ、尊さを知りました。その1票を放棄する人が5割います。この1票をなんとかしたいとやってきました」(稲富氏)。街頭に立ち、1人ひとりに声をかけて、チラシを配った。

 浪人生活を続けるなか、初当選後、当時の民主党幹事長・小沢一郎氏が1年生議員に贈った言葉を思い起こした。「国会に行ってやりたいことが100も200もあるなか、『君たちの仕事は、次の選挙に当選すること』と言われたのが非常に印象に残っています。いくら良いこと言っても、それはまったく意味のないこと。落ちれば、ただの人ではなく、ただ以下の人です。偉そうにしても社会に何も貢献できない。選挙第一主義という批判もあるでしょうが、5年間、私が浪人するなかで、やはり、次の選挙に当選すること、すなわち民意を得ることが最大の仕事であると学ばせていただきました」。1票を尊ぶ稲富氏の姿勢を受けて、支持の輪が広がり始めた。

由紀子夫人の言葉

 地元有権者の間では、いつも街頭に立つ稲富氏の姿が印象に残っている。決して楽ではない活動を支えたものとは何だったのか。6人の子どもたちの子育てを担い、今まで内助の功で稲富氏を支え続けてきた妻・由紀子夫人は、10月17日に開催された決起集会で集まった支援者への感謝を込めて以下のように語っている。

涙ながらに語る由紀子夫人

涙ながらに語る由紀子夫人

 由紀子夫人 うちには子どもが6人おりますが、主人は、ほとんど家(うち)にはいません。朝、子どもたちが起きる時間と、主人が街頭に立つ時間を合わせておりますので、朝の「行ってらっしゃい」だけが(主人が)子どもたちと関わる時間です。あとは、子どもたちが寝てから帰ってくるという毎日です。

 今回の選挙戦、私は初めて「妻です」というタスキをかけて、主人が毎日立たせていただいた街頭に、主人と同じ時間、立たせていただいております。そこで、多くの皆さんに「いつも頑張っていたね」「今回は入れるからね」「今回は頑張ってね」。多くの言葉をいただきました。私は主人を子どもたちと見送った後、子育てに追われ、主人がどんな気持ちで駅に立ち、雨のなか、皆さまにチラシを配り、活動していたか。

 この5年間、主人が気持ちを変えることなく、頑張ってこれたのは、皆さまがいつもあたたかく支えて下さったから。ほんとにそのありがたさが、この選挙戦、街頭に立たせていただいて、ほんとによくわかりました。そして、本人がどんな気持ちで頑張ってきたか。どうか、稲富を国政に戻していただいて、どうか仕事をさせて下さい。

(つづく)

【山下 康太】

<プロフィール>
■稲富 修二(いなとみ しゅうじ)
1970年8月生まれ、福岡県大野城市出身。95年、東京大学法学部を卒業し、丸紅(株)に入社。96年に退社し、松下政経塾に入塾(17期生)。02年、米国コロンビア大学公共政策大学院を修了。09年8月の衆院選では民主党公認で初当選。12年12月、14年12月と2度続けて、衆院選に落選。17年10月、衆院選の九州比例区で復活当選した。

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2019年11月13日 14:04

見積もり金額誤り契約辞退 福岡市の建設会社を指名停止NEW!

 福岡市は11月12日、福岡市西区の土木工事会社「(有)日進建設」に対し、落札者となったものの、契約を辞退したとして、市発注の競争入札への参加を2カ月間停止すると発表...

2019年11月13日 13:50

『脊振の自然に魅せられて』(番外編)~「恒例の英彦山登山へ」NEW!

 青春時代を過ごした仲間と英彦山へ登るのが毎年恒例となっている。筑豊の田川で中学、高校とともに学び、ともに遊んだ仲間である。それぞれ大学へ進み、サラリーマン生活を終え...

2019年11月13日 11:03

福島銀行がSBIホールディングスと業務提携NEW!

 11月11日、ネットで証券・銀行・保険業務を幅広く手がけているSBIホールディングス(以下、SBIHD)と福島県の福島銀行(第二地銀)が資本業務提携すると発表した。...

2019年11月13日 10:33

山本太郎氏がゲノム編集食品の表示を主張、「知る権利脅かされてる」NEW!

 れいわ新選組の山本太郎代表は12日、解禁されたゲノム編集食品の開発について、届け出制で表示義務もないことから「知る権利が脅かされている」と問題視し、最低限の対応策と...

2019年11月13日 10:25

受験シーズンで保護者から頼られるブレインフードが高麗人参~予防医療の新しい風(4)NEW!

 予防医療・健康増進を実践する医療施設として、全国から年間延べ3万人以上が訪れる診療所として注目されているのが海風診療所。今回、院長・沼田光生氏に、同院が推進する、予...

2019年11月13日 09:53

【凡学一生のやさしい法律学】憲法改正について(1)NEW!

 憲法制定権力という講学上の概念は歴史的事実から演繹されたものです。たとえば、明治憲法は徳川幕府を倒し、王政復古(天皇制)を成し遂げた薩長土肥の下級武士階級が憲法制定...

2019年11月13日 09:27

曖昧な株式管理が生んだ名門ゴルフクラブの経営権争い(中)NEW!

 ゴルフ場創業者の死後、株式の所有をめぐり、裁判が続いている。舞台は、福岡県糸島市にある「ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(以下、クイーンズ)」だ。地場屈指のマンション...

2019年11月13日 07:00

監訳者に聞く 「MMT(現代貨幣理論)」とは何か?(2)

 私が言論活動を始めたのは2011年からです。最初は単なるブロガーでしたが、14年に経済評論家の三橋貴明さんが主宰するメルマガの執筆陣に加わるなど、徐々に活動の幅が広...

2019年11月13日 07:00

日本橋川に「青空を取り戻す」 首都高の地下化プロジェクト(後)

 オリンピック終了後間もなく、地元住民から「日本橋に青空を取り戻せ」という声が挙がる。オリンピックの興奮が去ると、「日本橋の景観が台無しじゃないか」という不満が頭をも...

2019年11月12日 16:59

半分の工期で済む、倉庫・工場建設

 倉庫・工場建設の受注に特化しているゼネコンのある部長が、「マンションの工事なんかやってられないな!」とうそぶく。今回、12億円の工場の受注を請けたというので、「納期...

pagetop