2024年04月30日( 火 )

糸島を全国区のブランドへ、月形市長の挑戦と夢(後)

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 ――今や福岡県下における糸島の存在感は非常に高くなっています。月形市長の『ブランド糸島』達成に向けた次の目標は何でしょうか。

 月形 関東をターゲットにしたいと考えています。日本全国に、糸島のことを知ってもらいたい。その実現のためにはやはり関東―とくに東京での広報活動が必要だと思います。当初は東京に「アンテナショップ」を展開しようとも考えましたが、試算で、それでは費用対効果が薄いと結論付け、「東京事務所サービス」(※)を展開する東京の民間企業と委託契約を締結し、そちらに東京での糸島のプロモーションはお任せしました。

 東京でのプロモーションの成果は着実に現れており、三越・伊勢丹・松坂屋といった有名百貨店でも現在農林水産物をはじめとする糸島の幸が販売されています。どの百貨店も非常にブランド意識が高く、商品の取り扱いに厳しい基準が設けてありますが、とりわけ厳しいのが高島屋です。何とか高島屋にも糸島産の商品を置いていただきたいと、努力を重ねてきました。結果が現れ始めたのは昨年夏です。高島屋のお得意さま向けのカタログ商品として糸島産の商品を取り扱っていただけることになりました。すると非常に評判が良かったようで、高島屋のバイヤーが直接糸島にお見えになりました。そして今年3月、横浜タカシマヤで糸島の物産展が開催されました。通常は北海道や九州など、大きな括りのなかで物産展が行われるようですので、糸島という一自治体が大々的に取り上げられるのは、非常に珍しいことです。

 関東を視野に入れた活動がやっと実を結び始めています。今後も、『ブランド糸島』を多くの方に知ってもらい、実際に糸島に足を運んでもらえるようにするために職員一丸となって取り組んでいきます。交流人口をさらに増加させ、地元糸島の生産者の方・企業にしっかりと利益が循環していく流れを作り出し、市民の皆さまが豊かさを実感できる糸島を作り上げていくのが、最終的な目標です。

(了)
【代 源太朗】

※東京事務所サービス:東京に事務所を構えるのではなく、地元産品を首都圏に売り込むため、販路先の開拓や情報発信などの業務を、東京の民間企業が行なうサービス。

<プロフィール>
月形 祐二(つきがた・ゆうじ)
1958年生まれ。82年3月に西南学院大学法学部卒業後、一般企業への就職を経て、86年から衆議院議員・太田誠一氏の秘書を務める。その後、2003年に福岡県議会議員に初当選。3期を経た後、14年2月に糸島市長に就任した。

 
(前)

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