2024年04月28日( 日 )

ダイバーシティの必要性~多様な人材の活用が、企業と人を救う

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 厚生労働省は9日、従業員の自律的なキャリア形成支援に取り組む企業に贈る「グッドキャリア企業アワード2017」を発表した。
 同賞は、従業員の自律的なキャリア形成支援について他の模範となる取組を行っている企業を表彰し、その理念や取組内容などを発信することで、キャリア形成支援の重要性を普及・定着させることが目的。2012年度に「キャリア支援企業表彰」として開始し、毎年1回表彰企業を選定。昨年度までに49社が受賞している。
 今回は、「大賞(厚生労働大臣表彰)」4社、「イノベーション賞(人材開発統括官表彰)」5社が選定され、「大賞」のうち1社はオムロン太陽(株)(所在地:大分県別府市、大前浩一代表取締役社長)だった。九州では4社目の受賞となる。

 同社は大手電気機器メーカーのオムロン(株)(所在地:京都市下京区、山田義仁代表取締役社長CEO)の特例子会社で、電気機械器具の製造業社。評価のポイントとなったのは、「障がいの有無に関わらず個々に寄り添った成長の支援」を行っていること。
 同社の従業員は全64名のうち半数の32名が障がい者だが、さまざまな施策により障がいの壁をなくしている。例えば、健聴者の社員たちが勉強会などで手話を習得し、研修の際などに難聴者に手話で内容を説明するなど、常にお互いをフォローし合う体制を構築されている。また、障がいの状態やレベルに合わせた社員等級を設置するなど、ひとりひとりに寄り添ったキャリア支援を実施している。
 同社担当によると、最近は障がいを持つ新卒の採用にも力を入れ、企業の若返りを図っている。また今後は、知的障害、精神障害、発達障害を持つ人材の採用も積極的に行う方針。

 厚労省によると、16年の雇用障がい者数は 過去最高の47万4,374人で、前年より4.7%増加。日本の障がい者は860万2,000人(16年度推計、内閣府)おり、働く環境が整えば充分な労働力となる人材はまだまだたくさんいる。
 人材不足が深刻化するなか、外国人やシニア人材の活用といったダイバーシティ(多様性)人材の活用が注目を浴びている。
 AIの発達・普及を待つだけでなく、障がい者などさまざまな人材が働きやすい環境を整え、積極的な採用を行うことが人材難解決の1つの鍵であり、企業の役割であると言えるのではないだろうか。

 

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