2024年05月15日( 水 )

国産海苔への思い シェアトップ機械メーカーの矜恃

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竹下産業(株) 竹下 政敏 代表

 竹下産業(株)(本社:福岡県柳川市)が製作する乾海苔製造機械は国内シェアの約5割を占めている。代表の竹下政敏氏は本田技術研究所で自動車の設計に携わった技術系経営者で、祖父が起業した同社の技術力のさらなる向上を図ってきた。

 同社の市場での占有率は高まっているが、近年の海苔業界を取り巻く環境の変化には危機感を募らせている。頭を悩ませているものの1つがミスリードされた情報の拡散だ。昨年話題となった乾海苔価格の高騰がそれにあたる。前年より15%も高く、過去10年で最高だと報道された。

 この報道に関して竹下氏は「上昇したのではなく30年前の水準に戻っただけ」と指摘する。「より長いスパンで比較すると昨年は1987年当時とほぼ同額。70年代後半は、もっと高い時期もありました」。

 近年は乾海苔価格が低調に推移していただけで、むしろ乾海苔本来の価値に見合った価格に戻ったということだ。

 竹下氏は「漁家の生産コストは年々増加している。苦労の多い生産者には品質に伴った対価を得てほしい」と語り、高齢化や後継者不足による生産者の減少にも危機感を募らせている。

 初摘みの海苔は口どけが良く香り高い。「海苔ほど効率が良く、うまみが凝縮されてミネラル豊富な食品はない」(竹下氏)。竹下氏は海苔生産業界全体の発展に寄与したいとの思いが強い。初摘みの海苔をなるべく持ち歩くようにし、海苔の魅力を多くの人に知ってもらうための活動にも力を入れている。

<COMPANY INFORMATION>
竹下産業(株)
代 表:竹下政敏
所在地:福岡県柳川市本町68-4
設 立:1965年11月
資本金:8,000万円

 

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