2024年04月19日( 金 )

有力な人材採用で成長にはずみ(前)

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(株)アールズエバーラスティング

地元イベントの冠スポンサーで知名度アップ

 西日本最大の歓楽街、福岡市の中洲。この街角のあちこちで初秋、ジャズのコンサートが開かれ、一帯が大人の雰囲気の音楽一色に染まる。2009年に始まったこの音楽イベント「中洲ジャズ」は、大物ミュージシャンの演奏が無料で楽しめるとあって毎回8万人ほどの聴衆を集め、今や福岡市の名物行事に育った。その冠スポンサーとして広く知られるようになったのが(株)アールズエバーラスティングだ。毎年開催日が近づくと、共催のKBC九州朝日放送のテレビ・ラジオで同社の名前を冠してイベント告知が繰り返し流されるため、ご存知の方も多いだろう。

 そもそも知名度向上のきっかけとなったのが、14年のKBCオーガスタゴルフトーナメントの冠スポンサーについたことだった。投資型マンションを主力とする不動産会社として、その存在をアピールするために取ったブランディング戦略だったが、09年の創業からわずか5年目にも関わらず、同社の社名は福岡を中心に広く知られるようになった。さらに14年、長崎県島原市で開催された島原学生駅伝にも協賛。学生スポーツがもつ清廉さもあって同社のイメージは上がり、信用力も高まった。

 この戦略について石村良平社長は「KBCオーガスタゴルフトーナメントのスポンサードは1回だけでしたが、社名の浸透とイメージアップに大きな効果を得ることができ、その結果には驚きました。中洲ジャズは寿司屋さんを始め、地元の飲食店さんの売上に貢献しているようで、ゴルフでたまたま店主さんと一緒に回ったりすると、大変感謝されます。また、こういうスポンサーにつくと、テレビ局や広告代理店の方々からお客さまもご紹介いただいて、売上につなげることができています」と話し、手放しで喜ぶ。こうして築いたブランド力は顧客の安心感にもつながり、新規顧客の獲得もスムーズに進んだ。

 そんななか、今期、大きな力となったのが16年に開設した東京支社である。新たに放送関係の東京支社長をヘッドハンティングして専務として迎え、その強力な人脈で販売を伸ばした。その数字は、全体の今期売上の6割を占めるという。

 もともと同社は電話セールスなど、無理な営業はしない主義。石村社長の人脈をベースに、顧客を紹介してもらうスタイルで業績を積み上げてきた。そこへ人材が育ってきて、ここ数年は社員による売上も増加。そして、東京支社の貢献で、今期は前期に比べ20億円の増収を見込んでいる。

 「お客さまからの紹介だけで売上を伸ばせているのは、うちの強み。実際に弊社で物件を買っていただき、その投資効果を実感・納得していただいている方から新たなお客さまを弊社にご紹介いただいています。ですから、弊社への信頼度が大きいんですね。また、専務として迎えた人物はゴルフのレッスンプロでもあるというユニークな経歴の持ち主で、お医者さまを始め、経済的に余裕のある方の人脈が豊か。こういう点ではうちは恵まれています」。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:石村 祐一郎
所在地:福岡市中央区渡辺通5-13-11 天神渡辺通ビルディング4F
設 立:2009年3月
資本金:2,000万円
TEL:092-739-6700
URL:http://www.rz-e.com

<プロフィール>
石村 祐一郎(いしむら・ゆういちろう)
 1975年、福岡県古賀市生まれ。専門学校を卒業後、いくつかの職業を経験。27歳の時、マンション投資会社に勤務。その後、34歳で独立をはたす。趣味は音楽。

 
(後)

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